「劇的でなく格好良くもない素晴らしい映画」歩いても 歩いても けんとさんの映画レビュー(感想・評価)
劇的でなく格好良くもない素晴らしい映画
最後まで何も起こらない映画だった。良い意味で。
主人公(阿部寛)の兄が亡くなったりと事件はあったが、それも劇的には描かれない。全てがリアルだ。だから抵抗なく観ているヒトの心に届く、感じる。
胸に響く含蓄のあるセリフがたくさん出てくるのだけれど、どれもサラッと流れていく。自らの経験に結びつかない、感じないセリフは多分気づかない。僕もたくさん気づかずに逃していると思う。でもそれでいい。観たヒトそれぞれち届く言葉、シーンがきっとあると思う。
「人生はいつも、ちょっとだけ間に合わない。」とても胸に響くセリフでした。ラストシーンは静かに涙ぐんでしまいました。
それぞれの人間の、それぞれに対する表の顔と本音が繊細に描かれている映画だった。ものすごい映画です。日本映画らしい良さが生きていて大好きです。
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