「登場人物がみんな良い!」純喫茶磯辺 オイラさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物がみんな良い!
ダメオヤジが、父親の遺産が転がり込んだために更に働かないダメオヤジになり、
ふと『これは女子にモテるのでは?』と、思い付きで喫茶店経営を始めてみたら…という軽い日常を描いたコメディ。
接客業にはとても向かない強面、清潔感の無さ、単純バカで女好きのバツイチ子持ち…宮迫博之ベストキャストだぜ!
どんなダメ男っぷりで笑わせてくれるかしら?顔芸に近い表情や激しい台詞のやりとりなんかを期待してたけど、爆笑ってトコロはあんまり無く、それより画面の隅っこにちりばめられた、含み笑っちゃうような洒落のほうが、意味不明だったりして可笑しかった。
娘役の仲里依紗ちゃん、ぶっきらぼうなイマドキの高校生っぷりが可愛かったなぁ。
最初、竹内結子さんに似てる…と思ったけど、いやいや顔や表情から声も話し方も『嵐』の二宮くんによく似てるじゃないですか!
元妻役の濱田マリは相変わらず、ちょっとだけ陰のある優しい雰囲気が素敵。
麻生久美子は怖かった。
常に誰かに愛されては流されて…無意識に人を傷付けているサバサバした感じの美人役だったんだけど、
『悪気が無いから却ってタチが悪い』だけじゃなくて、ある意味浮き世離れした、無意識こその純粋さとか透明感が表現されていて、
観ている側としては『こんなタイプとは絶対かかわりたくない』と思いながらも、物哀しさとか親しみやすい可愛らしさ、加えて清潔な色っぽさに微妙に翻弄されちゃったんだよね。
すごい女優さんだ。
…というワケで宮迫氏は、すっかり女性陣に呑まれてしまっておりましたとさ。
全編に流れる音楽は『クレイジーケンバンド』。
ちょっと冴えないような、不器用な温かさが気持ちよかったな。
唯一ボーカルが入るエンディングテーマは、オイラだけじゃなく会場全員が最後の最後まで、席を立たずに聴いていた… なんか染みるんだよね。
『男の滑走路』。歌詞の意味はワケ解らんけど。