「●美味いんだこれが。困ったことに。」おくりびと うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)
●美味いんだこれが。困ったことに。
キレイな映画だ。雄大な自然を惜しげもなく差し込んでくる。そこに音楽が厚みをもたせる。もちろん本編の素晴らしさが前提だが。
遺体を棺に納める“納棺師”。そんなに蔑まされる職業じゃないと思うのはオレだけか。手仕事のキレイさゆえか。ほんとキレイだ。
とはいえ、戸惑うのは想像に難くない。人の死に立ち会うのだから。戸惑う男がやがて誇りをもち、周囲を黙らせる。粋だ。
印象的なシーンがいくつか。
赤ちゃんできたと、本木に応えてうなずく広末涼子。本木が話す「いしぶみ」の話。でも、いちばん好きなのは、本木と山崎努が二階でメシを食うシーン。山崎努の「間」に感動すら覚える。
死ねなきゃ食うしかない。
食うなら美味い方がいい。
美味いんだこれが。
困ったことに。
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