「鳥に生まれなくて良かった。」ハッピーフライト ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
鳥に生まれなくて良かった。
おそらく、1970年の米パニック映画「大空港」を
矢口監督がパロって作ったんだろうと思っていた。
グランドホテル形式で、登場人物が複雑に交錯、
もちろんこっちはかなりのコメディだけど^^;
ちなみに飛行機が怖い。あれが飛ぶから怖い。
高所恐怖症の方ならお分かりいただけると思うが、
搭乗する時はまだ平静ながら、上昇&下降時には
心臓がバックンバックン、地に足が着かない状態を
ここまで恐怖に思う瞬間はないと、私はいつも思う。
窓の外の景色を見ろだ?私には地獄絵図だぞ(汗)
なので搭乗時にパニックを起こした新婦の気持ちが
分からないでもなく(でもあれでは単なる迷惑行為)
だったら、飛行機で行くなよ!近場にしろ~!なんて
思ったりもした。(熱海温泉だっていいじゃないか)
でもそんな迷惑な客連中^^;をさばくスタッフ達の、
涙ぐましい努力や苦労を垣間見れる群像劇だった。
監督の徹底的なリサーチで作り上げただけあって
専門用語がポンポン飛び交い、えぇ!な裏事情も
分かって、こっちとしては面白いことこの上ない。
前作まであった途中のダラダラ感が緊張感に変わり、
今回は最後まで一気に観られる感じだった。
一日の間にそんなにいろんなことが起こるわけが!?
あんなバカな副操縦士とCAが実際にいるわけが!?
…というお約束の役どころ&展開が待ってはいても、
盛り上げるところではしっかりと盛り上げ、
ベテランの奮闘ぶりと対比させて上手く纏めている。
ポスターやチラシでは、田辺誠一と綾瀬はるかが
メインキャストのような感じで描かれているけれど、
内容的にはもっと脇の人々、グランドスタッフとか
整備員、OPディレクターや、管制官、バードさん^^;
などなどの奮闘ぶりの方がかなりダントツで面白く、
どちらかというと、そういう人々に陽を当てた感じ。
とくに田畑智子&平岩紙、岸部一徳&肘井美佳の
凸凹コンビの奮闘ぶりには、大いに笑ってしまった。
エンドロールで、F・シナトラの
「カム・フライ・ウィズ・ミー」を聴いたらもう爽快!
あぁまた飛行機に乗りたい♪と気持ちだけは逸るかも。
(空を飛び交う鳥さんたちも、是非ハッピーなフライトを)