「【”I HAVE! YOU HAVE! ” 民間飛行機を安全に運行させるために頑張るプロフェッショナル(一部、新人)の奮闘する姿が面白くも感動した作品。】」ハッピーフライト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”I HAVE! YOU HAVE! ” 民間飛行機を安全に運行させるために頑張るプロフェッショナル(一部、新人)の奮闘する姿が面白くも感動した作品。】
職人”矢口史靖”監督の映画を製作する”視点”には毎回驚かされる。
今作は取り分け、その想いを強く持ちながらも、実に面白く観賞させていただいた映画である。
公開後10数年経つし、定期的にTV放映されているので、内容には詳しくは触れない。が、面白さは保証付きの作品である。
今作が面白いのは、民間飛行機を飛ばすための、各セクション担当者の奮闘ぶりが複合的、重層的に、きっちりと描かれている所である。
(飛行機映画は多いが、今作の様に各セクションの詳細な(ややマニアックと言っても良い)部分まで描いた映画というのは、余り記憶にない。)
■各セクション
1.パイロット <花形である>ベテラン機長原田(時任三郎)と、機長昇格訓練中のコー・パーロット(副操縦士)ちょっと、ビビりの鈴木(田辺
誠一)の遣り取りが面白くも緊迫感あるシーンも良い。
2.C.A <花形である>劇中では、ベテランチーフパーサー山崎(寺島しのぶ:うーん、ベテランって感じ。)と、自信過剰な田中(吹石一恵)と新人で、かなり脳天気な斉藤悦子(綾瀬はるか)の関係性が観ていて面白い。配役も良い。
特に、山崎の咄嗟の対応には流石と唸る。
3.グラウンド・スタッフ <地味である>
今作を観るまで知らなかったが、カウンター、ゲート、セキュリティ、ラウンジなど多種な業務をこなすプロ集団。 田畑智子さん、平岩紙さんが絶妙に演じている。今作を観てから”空港には一時間前には到着していないといけないなあ”と学んだ。
4.オペレーション・コントロール・センター <非情に重要な仕事>
天候急変の際など、瞬時に的確な判断を求められる。故に”地上のパイロット”という別名あり。
5.エンジニア <地味である>
が、彼らの確実な仕事がなされないと、飛行機は飛ばない。整備場で一つの道具が無くなっただけで、大変なことになる。(映画では、緊迫溢れるベテラン整備士小泉(田中哲司:良い。)と若手整備士中村(森岡龍)の姿がリアルに描かれる。
6.管制官 <非常に重要な、空の交通整理係>
バードストライクにも、瞬時に対応。
英語が堪能でないと務まらない。
という、各セクションの姿とセクション内、セクション同士のチームワークを見事に描いているから、今作は面白くも見応えがあるのである。
<邦画史上初のジャンボジェット実機を駆使した見事な作品。チームプレーあっての安全な”空の旅”だということを実感した作品。>
<2008年11月16日 劇場にて鑑賞。その後、TVにて複数回鑑賞>