「ナイスランディングゥ」ハッピーフライト kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ナイスランディングゥ
飛行機は嫌いです・・・というより、乗る機会がないのです。パスポートは更新しないまま埋もれています(しかも昔の大きいサイズ!)。それくらい飛行機の経験も知識もないままの鑑賞となりましたが、パイロットやCA(キャビン・アテンダント)のみならず、整備士やディスパッチャーやバードパトロールの仕事ぶりまで描き、かなり勉強になりました。ただ、管制塔の雰囲気はジョン・キューザック主演の『狂っちゃいないぜ』で確認済ですが、NYだと休んでる暇もなかったように記憶してます。
驚いたのは『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』の矢口監督作品とは思えないほど専門的でリアル描写に徹した映画だったこと。もっとおちゃらけた内容だと予想していたのに裏切られた気分です。だけど、映画館の大スクリーンだと臨場感たっぷりだし、観る価値はあり。103分間のフライト・シミュレーションのアトラクションを経験したと思えば損はないハズ。
綾瀬はるかが主演だと思っていたのに、彼女は群像劇の中に埋もれてしまい、むしろ田畑智子のほうが目立っていたような・・・サイボーグとか座頭市を演じた後だから人間味が感じられなかったのが原因かもしれません。フライトの怖さのためか、彼女の小ネタでも笑えずに、笑いは笹野高史が映ったときだけだったかもしれません。
専門知識や細かな絵コンテ、そして良くできた脚本による完成度考えると、矢口監督の才能と映画に賭ける情熱は評価できるのに、なぜか物足りない。さすがに人の命を預かる職業を題材にしているのでシリアスになるのはわかるけど、それならば昔ながらのスチュワーデスに憧れる女の子を描くにしても、もっと現状をちらつかせてもいいのではないでしょうか。キャビンアテンダントや他の航空関係の職種は派遣や契約社員などの非正規雇用が多くなっている現実。鬼教官がビシビシしごいても、CAの中には「どうせ私は派遣だから・・・」と考える人も出てくるはずです。まぁ、ANAが全面協力じゃ無理かもしれないけど・・・
・ウザキャラになりがちな竹中直人をチョイ役にしたのはグッジョブ
・今回も日アカ音楽賞を狙えるか?ミッキー吉野。ギターに土方隆行、ベースがナルチョ、そしてドラムがトミー・スナイダー!なつかすぃ