容疑者Xの献身のレビュー・感想・評価
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人の感情をうまく描けている作品である。結末が・・・
なぜ新品の自転車である必要があるのか等、石神(堤)による謎がちりばめられていて引き込まれる。
その謎を明らかにしていく湯川(福山)に対してさらに謎をかけてくる石神との攻防が楽しい。
しかしながら、作品のテーマが重く、後味が悪い。花岡(小雪)のきれいな人でなくて明るい人を使う、笑いをもう少し入れる、ともう少しライトになったかなあ、と思う。
それにしてもよくできている作品である。人の感情をうまく描けていて、素直に共感できる映画になっている。
*1 「幾何の問題と見せかけて代数の問題だったりする。ひっかけですよ。」という石神の言葉が印象的。
*2 他人のコメントで印象的だったのは、「湯川、石神、花岡の3人が、それぞれ幸せを考え、自分の正解を行動で表すものの、すれ違う姿からは、何が幸せなのかを考えさせられました」
→幸せはおしつけでは成立しないのかもしれない。
人間は時計から解放されると、規則正しい生活になる
映画「容疑者Xの献身」(西谷弘監督)から。
さすがに、東野圭吾さん原作だけあり、私のメモも溢れた。
そんな中から選んだのは、ちょっとストーリーと関係ないが、
「人間は時計から解放されると、規則正しい生活になる」。
たしか、ホームレスが生活している場所を眺めていて、
口に出た台詞だったと思う。
毎日、その場所を通勤で通るからこそ、気付いた視点だろう。
この視点、実はいろいろなところで必要かも知れない。
人間の生活に必要だ、と思っていたものが、
実は、いらなかったりすることがよくある。
今、私たちが使っているものの大半は、
この100年くらいに発明されたものばかり。
ということは、便利な道具ではあるが、
どうしても必要なものでもない、ということもできる。
町中に、これでもか、と時計が溢れているが、
実は、表示されている時刻が微妙にずれていても、お構いなし。
人間の生活には、正確な時計は要らないのかもしれない。
ねじれた献身。
TVドラマ版は、まったく観ておりません^^;
原作&福山人気の相乗効果でかなりの視聴率だったようで。
これは公開前のトーク番組で、福山&堤真一が語っていた
内容が妙に面白かったおかげで、観る気になりました(爆)
…で。映画も面白かったです!
謎解きがメインなので、そこに絡むドラマが問題なんだけど、
しっかりした俳優陣を使っていたので、違和感はありません。
だいたい有り得ないくらいにカッコいい物理学者ですので^^;
(寝姿でさえもイケてました。格好悪かったのは雪山くらいか)
こんな人が変わりモノというのもドラマの格好の材料ですね。
ちょうど期を同じくして、日本人物理学者3名がノーベル賞を
受賞され、なんだかヲタク研究心に火がついた気がしました。
物理学者も数学者も、天才がつくと凡人とはまるで違う(爆)
そんな違和感をとても上手に表現していた堤真一の演技が
素晴らしく(疲れていて)こちらまで鬱蒼となりましたねぇ。
役作りの為に前髪を剃り落として(!)デコを広げたそうです。
原作イメージと比べるとかなりカッコ良すぎるそうなので^^;
そのせいだったかもしれませんね。(福山は変わらずですが)
ラストの泣き方までもしっかりとイメージを醸していました。
冒頭で犯人はアッサリと判明するものの、事後処理の方法と
アリバイ作りのからくりの謎がまったく分からない警察軍団…。
思えば確かにヒントがちょろちょろと映し出されてるのですが、
それが見事に一つの線で繋がるラストはお見事!で、あまり
オカルトじみていないところが私にはかえって良かったですね。
ただ、その真実がこの「Xの献身」を無駄にしてしまうことが
ガリレオ福山には分かっているため、それを言い出せない。
男同士の友情(といってもかなり非凡な)が切なかったですね。
しかしどうして彼らが雪山を登らなければいけなかったのか
あのシーンの意味だけはサッパリ分かりません(爆)
思わずあそこで「クライマーズ・ハイか?」と思いましたもんね。
堤さん、ここでも大熱演です。
彼が想いを寄せる隣人・薄幸だけどファンデが濃い松雪泰子、
このヒト、なにをやってもハマってるなぁ~の北村一輝など、
脇も豪華で良かったですし、中でも殺されてしまう元夫?の
富樫役・長塚圭史は、お父さんと声がソックリ♪でしたねぇ。
あとダンカンはどうしてもイイ人に見えなくて(スイマセン^^;)
また騙されてるんじゃないかと心配で仕方ありませんでした。
やたら俳優陣にばかり目がいってしまっていますが^^;
原作&脚本が良いおかげで、単なるドラマのオマケ延長化
していないところがとても新鮮な感じがしました。
(家のこたつは、ねじれコードか?と気になった人いるだろな)
松雪泰子がとにかく美しい
沈黙のパレードに向けて鑑賞。原作とドラマは見たことない。完全初見だがまったく問題なし。
古畑みたいに最初に犯人見せるパターンで、湯川たちがどうやって追い詰めるのかドキドキして楽しめた。
劇中でもさんざん言われてるけど松雪泰子がとにかく美しい。彼女目当てで常連になるのも分かるし、あんな美女に引っ越し挨拶こられたら惚れてまうやろ。めちゃタイプですわ。
堤真一の悲壮感ただよう演技に引き込まれる。愛する人のために殺人犯してまで自分を犠牲にするのはカッコいい。
しかし、石神が人生に絶望してる理由がわからなかったのが残念。自殺しようとするくらいだから、相当追い込まれてたんだろうけど...。
私は人を本気で愛したことがない。いつか石神のように「自分を犠牲にしてでも守りたい」と思える女性に出会えるのだろうか。
パンチがやや弱い
沈黙のパレードですっかりガリレオブームが来たので無論鑑賞。大昔に観たハズなんだけどほぼ真っ更なレベルで記憶から消去されていたもので初見で楽しめた。けどやっぱり最初クソ男を殺す辺りでコタツのケーブルとかを使ったシーンは何か覚えてて人間の記憶ってゴイスー。(もしかしたらそこだけYouTubeで見た可能性も捨てきれないが)
さてさて、ネタバレ有りなので遠慮無しに述べていこうと思うが、巷ではこの『容疑者Xの献身』がガリレオのみならず邦画界においても一二を争うほどの名作だと言われているとかいないとか。
でも僕個人の感想としては、パンチが弱く普通だった。まあ、そもそもガリレオシリーズ初の映画化という事で更にドラマ版はもうちょっと明るいらしいので、そのギャップなんかも効いてヒットしたのだと思う。けど、最新作の沈黙のパレードなんかと比べると、まあ当然だがやっぱり今の映画ってちゃんと進化してるんだなという事を実感させられる。
物語は意外とシンプルで、まさに真のオタクとも言える数学オタクを突き抜けた石神が偶然にも隣人のゴキブリ(意味深)騒動を聞いてしまい、更にそのお隣さんの奥さんに片思いをしていたことから片棒をかついで自らも殺人を犯してしまう・・・というストーリー。
つか真夏の方程式でもそうなんですが、ガリレオ映画って犯人が明かされていてそれをガリレオがどうやって解き明かしていくのか?って俯瞰して見ていくのががメインなんですね。沈黙のパレードってむしろ初の試みだったのか。
話題を戻して、このストーリーの肝は一見すると花岡親子らが一応は悪くて石神はその片棒をかついだ”救いの騎士”だったわけですが、実は終盤のどんでん返しで石神は死体を隠すトリックに使う為全く無関係なホームレスを殺害していた事が発覚するのです。
このトリックはかなりあっぱれで自分も全く予想出来ませんでした!確かに意味深なホームレスの描写はあったけど・・。だからこの新事実によって”可哀想な石神”から”狂気の石神”へと変貌を遂げるのです。
でも、
でも!!!!
石神はただ花岡親子らを守りたかったその一心だけで、これを引き金にキラーマシンに変貌したわけじゃありません。意味深だった湯川との登山シーンでももしかしたらそんな気持ちがよぎっていたのかもしれないですが、実際にはそんな事は起きませんでした。
最後まで湯川とは友人として接し、花岡親子らを全力で守るために働いた。これはまあハッキリとは明言はされていませんが、石神が数学以外はさっぱりな男だということは想像が付きます。
そんな数字しか興味の無かった男が一人の女性の為に全てを捧げたラブ・ストーリーとも言える本作。すごい脚本です。
ただ、
ただ!!!!
やっぱり今完全フラットな視点で見た僕から言わせますと、前半をピークに盛り下がっていく感が否めないのも事実でした。花岡親子が犯人で、石神はその罪を被って、更に石神自身も一人殺していた。そして、そんな事実が全て発覚した最後の最後で花岡靖子が自首をしに来て、そのまま泣き崩れる石神。
個人的にはここがもうちょっとエモくなるのを期待していたと言いますか、案外普通に花岡靖子が来て急に泣き出す石神って構図だったので、石神の方ももっと演技を続けるのかと思いきや一瞬で崩壊したのでちょっと早かったかなあと。
んん~これは大人の事情で尺が押してたんですかねえ。
意外と後半はパンチが弱かったと感じたのは僕だけでしょうか?
堤真一の演技には唸るものがある
いやー 覇気のない歩き方や猫背 表情や喋り方 ラストの複雑な気持ちで泣き喚くシーンなんか圧巻! 堤真一の演技はほんとに凄い! ストーリーは もう最初の段階である程度ネタバレした状態からスタートする。もう少し伏せんがあって複雑でも良いかな?と思ったけど タイトル通り献身的な姿に重点を置いたんだろうなと。ただ、単純に罪を被ったのなら良い話だったかも知れないけど ホームレスとはいえ何の罪もない人を殺害して利用するという手口は うーんと思うところ。最後はあんな感じになってしまったけど 石神さんの献身が花岡さんにちゃんと伝わって良かったなと少しホッとした。
ドラマとトリックのミスマッチ
この作品は本格ミステリ的トリックと人間ドラマの融合を図ったものだと思うが正直成功していない。
ミステリとしてみた場合、そもそもトリックが成立していない。
このトリックを成立するためには被害者(元夫)の死体を発見不可能にすることと被害者が住所不定無職であることの両者が必要である。
もし被害者に自宅があればそこからDNAが採取されてしまいトリックが成立しない。
死体もなく、住所不定の者がいなくなっても誰も気に留めず、そもそも事件として認知されない。だからそれ以上のトリックは必要ない。石神はやらなくていいことをやって結局事件が露見してしまった、ということになる。天才のやることではない。
ドラマとしてみた場合、あまりにも描写が薄い。
ドラマとして描くなら、石神がどうして自殺するまで追い詰められたのか、どうしてあの親子があいさつに来ただけで思いとどまれたのかが大事だが回想でサラッとなぞるだけ。単に動機の説明にとどまっている。
また、どういう気持ちで死体を隠蔽し、ホームレスを殺したのか、そういうところがしっかりと描かれていれば親子を守るため無関係な人間を殺すことの苦悩などが理解できたかもしれない。しかしトリックの説明で終わってしまうため、ホームレスを捨て駒のように殺しているようにしか見えないのである。
親子を守るためだけならもっと簡単な方法がほかにもいろいろあった。例えば正当防衛であることを証言するとか(そのために証拠を捏造するとか)、自分がやったと名乗り出るとかである。人を殺すというのは精神的にも相当ハードルが高い。なぜそのような選択をしたのか謎である。逆に言えばそこを描き切ってこそドラマと言える。
映画の最終盤で、「アリバイトリックと見せかけてすり替えトリックだったんだ」みたいなセリフがあるが、おそらくこれが原作者の一番やりたかったことなんだろう。
だがレビューを見てもわかる通りそんな江戸川乱歩のトリック分類みたいなことに関心のある人などほとんどいない。原作者もそれがわかって純愛風の舞台を作ったのだと思うが、その結果、どっちつかずの無理なストーリーになってしまったのだと思う。
本格ミステリであれば、登場人物も駒であり殺人も単なるイベントでいい。しかしドラマはそうはいかない。本作ではほとんどの登場人物が駒として描かれているので、非常に薄っぺらく感じる。堤の演技も(評判がいいようであるが)正直、「さえない中年男」をステロタイプに演じているだけだ。「抑えた演技」という評もあるようであるが、抑えた演技を【過剰に】演じているようにしか見えない。もちろんこれは役者の責任ではない。こういう演技を求めたのは監督であり、脚本だ。
原作は読んでいないのでわからないが、原作では上手にトリック部分とドラマ部分を融合させているのかもしれない。しかし、尺に制約のある映画ではトリックの意外性を捨て、ドラマ性を重視したほうがよかったのではないかと思う。
悪質なトリック
普段、邦画のサスペンスは観ないけれど、これはひどかった。
冒頭で、子供がDV父を過って殺してしまった時点で救急車か警察を呼ぶのが正しいモラルある人間の対応だ。
罪は軽いだろうが、きちんとつぐなうべきである。
子供の心理的なケアなども含めて悪質な隠蔽を行うことがどれ程子供のトラウマになろうか。
仮にどうしてもお隣さんを助けたいなら、ラストで犯人の供述によってようやく死体が上がったように、ただ全部自分で罪を被る覚悟で死体遺棄をおこなえばよろしい。
住所不定で身寄りのない素行不良な親父が蒸発しても誰も気にしない。
ホームレスの生命を虫けらの如く扱い、警察に対して挑戦的なトリックを仕掛ける陰湿な数学者には怒りを覚える。
しかし、頭がよいが、常人には意味不明の難問に取り組む常識のないバカというキャラクターは世間一般の数学者のイメージとあっているかも。
こいつは死刑でよい。
福山さんは物理学者である意味があるのか不明だが、登山のシーンで、「実に面白い」とか言ってる姿が気取った学者がはじめて山にのぼるって感じで笑えた。
主役は物理学者という設定だが、アメリカのリアリティーのある科学捜査系のドラマや映画を期待してはいけない。
惚れた殺人女の為に無力な人間を殺す極悪人
ネタバレ
卑劣な奸計を用い無力無実なホームレスを絞殺後、顔をめちゃめちゃに潰し火を放った時、犯人:堤真一がどれほどとち狂い凶悪な心境になっていたか。
またホームレスが何も訳が分からないまま首を絞められ殺されたか、その一部始終の救いようのない愚かで残酷な殺害動機、殺される者の苦しみなどに思いを巡らせることが出来る人はとても高評価などできないだろう。
彼女とその娘のことを思うなら自首を勧める以外の最良の方法はなかったはず。
それ以外はよくできた映画とは思うが、最後の最後までトリックを隠蔽する手口もどこかアンフェア。
反吐が出るような極めて卑怯卑劣な犯罪行為を「美談」と多数の人間に思い込ませた原作者こそ呪われるべきかもしれない。
この映画は人間性を計るある種の「踏み絵」
結局堤真一が演じた男は、社会性がおびただしく欠落し、女性ともまともな交流が出来ず、自らの論理思考と計算能力を過信し過ぎ、代理逮捕されれば女が幸せになると勘違いし(それは詰まる所自身の満足の為のねじ曲がった犠牲精神に過ぎず、女が良心の呵責に苦しむことなど想定すらできない)平気で第3者を殺害できる哀れなサイコパスだったということ。
200712
あまりにもお粗末なストーリー&笑った
この原作の出版当時は、世の中に監視カメラは無かったんでしょうか??
監視カメラがあれば、石神が死体をどこかに捨てたとか全て明らかになります。
映画を見て最後まで松雪泰子扮する女の夫の死体が見つからないが、どう処分したんでしょうね。そんなに簡単に遺体処理ができるなら、石神がわざわざホームレスを使ってまでして新たに殺人を犯す必要ありませんよね。
また、殺された夫のDNA鑑定もせずに、発見されたホームレスの遺体を同一人物と断定したのでしょうか? あまりにも雑すぎます。
いつの時代の事件を扱っているのですかね。
笑いが止まりませんよ。
科学的、論理的に考えて、この映画&原作の筋書きは破綻してませんか??
最後に、福山の演技は本当に糞ですね。
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