「お子さまに媚を売る必要はない!!」崖の上のポニョ マロピさんの映画レビュー(感想・評価)
お子さまに媚を売る必要はない!!
ジブリ作品の期待値って言うのはどうしても高くなる。
昔はすごいタイトルを取って活躍してたのに今は「なんだかなあ・・・」の成績のプロ野球選手みたいだ。
ここ数年のジブリは個人的にはどうも大人の鑑賞に耐えるものでなくなった気がする。
「トトロ」が(興行的に)成功してしまったものだから子供の視線を気にしているのかなあ・・・とかんぐりたくもなる。
今回のポニョも非常に単純極まりない話である。
しかし、いくらでも深読みしようと思えば深読みできるところはあるんだけれど、ことごとくスルーされてしまって説明は何もない。
これが大人用に用意されたシークエンスなのかと言うと、それはさすがに不親切すぎると思う。
たとえば、ポニョの親父がどう見ても人間なのはなぜなのか?さらには、この親父親が作っている命の水とはなんなのか?
解明されることなく終わってしまうので消化不良感は拭えない。
ああ、かわいいねえで終わってしまうのは思考を放棄したみたいでイヤだ。
「もののけ姫」ってのは、この辺のバランス感が絶妙だったんだよなあ。。。
何を言うわけでもなく深遠なテーマや人物が読めたというか。
海の向こうのピクサーの作品群が素晴らしいものばかりなだけにジブリにも頑張ってもらいたいものなのだが・・・。
>ぬまさん
貴重なコメント、ありがとうございます。
僕の中では、数字上の興行的成功というより「トトロ」以降の興行はマスコミ露出というか、宣伝媒体での登場回数というか…
うまく言えないのが残念です・・・。
少なくともジブリ作品に関しては個人的にはさほど深い「愛」を持っていないので、愛する方たちととかく衝突しがちなので・・・。
自己考察しながら鑑賞するという手法も悪くはないと思いますが、明らかに端折りすぎていおる感が否めないので、スッキリしないのですよ。
トトロが興行的に成功を収めたとありますが、トトロは宮崎作品の中では最低の興行収入です。
ポニョが155億円だったのに対しトトロは11.7億円にすぎません。
ポニョ製作のきっかけは、前作が対象年齢を高めに設定した「ハウルの動く城」であったことから鈴木プロデューサーが「次は小さな子供が楽しめるものがいい」と提案したことからです。
ポニョは輪廻転生・魂の不滅などがテーマだと音楽監督の久石譲さんが話していらっしゃいました。
ポニョについて解明を説いた文献がまだ少ないですが、そのテーマを考慮しつつ、自分なりの考察を加えながら見るのもまた楽しいと思いますよ。