劇場公開日 2008年10月25日

「まるで昭和を感じさせる、人情劇」ホームレス中学生 カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5まるで昭和を感じさせる、人情劇

2008年10月8日

泣ける

幸せ

小池が中学生二年の役で、池脇が高校生なんて、いくら何でも
ひどすぎない?
なんて思いながら観ていたら、
ちょっとやられてしまいました。

ある日父親から、三人の子供達は家族の解散を告げられる。
そこから家族がどのように再生していくか
そして、
実は田村少年自体が有る事件で自己が喪失していたのに気付き
そこからの再生の物語りです。
と、少し深みの有るお話しなのですが、
そこまで言っちゃうとネタバレしちゃうので、
その辺は自分の目で確かめてください。

いくつかのグッときたシーンがありました。
田村少年が、
公園で悪戦苦闘しながら生活し、
徐々に食べ物にも困って空腹に耐えられず、
ついにはダンボールまで食べるようになってきたとき、
公園で鳩にパンのミミをやっているおっちゃんに
パンをわけてもらうシーンが出てきます、
当然おっちゃんは少年が鳩にやるもんだとおもってたら、
そのパンを頬張っている姿を見て、何かを悟り、
そっとパンをおいていくシーンです。
思わずぐっときてしまいました。
それが一グッと目でした。

事態はだんだん逼迫してきて、
とうとう同級生の友人に会ったときに、
お腹空いたから、ご飯食べさせて、って頼んだら
お家へ連れてってくれます。
友達のお母さんは彼の姿を見て、
直ぐにただならぬ事情を察して、
お風呂を用意してくれ、ご飯をいっぱい食べさせてくれます。
その友達のお家は子供が4人もいるというのに、
とても温かいのです。
お腹もいっぱいになって、落着いてから
事情を聞き出し、家族が一緒になれるように
尽くしてくれます。
マア姉ちゃんでデビューしたてのころは
とても華奢な感じだった田中裕子が、
堂々と太っ腹な友人のお母さん役をしていました。

最後の結末に持っていくところは、
少し強引なところも感じないわけではなかったのですが
それでも、西野亮廣演じるお兄さんとの牛丼屋さんでの
シーンもグッと来るし、
見所が多い作品でした。

ホームレス中学生、侮るべからず!

カサキショー