名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)のレビュー・感想・評価
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【71.5】名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア) 映画レビュー
作品の完成度
2008年に公開された本作は、『名探偵コナン』劇場版シリーズの第12作。クラシック音楽をテーマに、音楽家を狙った連続殺人事件の謎をコナンが解き明かす物語。物語の根幹にクラシック音楽を据え、劇中では「アメイジング・グレイス」や「アヴェ・マリア」といった名曲が効果的に使用され、作品世界を彩る。しかし、一方で、クラシック音楽の描写において、専門家からは現実離れした部分が指摘される声もある。例えば、クライマックスにおける灰原哀のリコーダーの描写や、コンサートホールでの音響の表現など、音楽的な整合性よりも物語的な演出を優先した点が批評の対象となる。また、犯人の動機が事件の規模に対してやや弱いという意見も散見され、シリーズ特有のスケールの大きさと、個人的な復讐心という動機との間にギャップを感じさせる部分がある。しかし、クライマックスの演出は非常にドラマチックで、危機的状況に立ち向かうコナンとゲストキャラクターの連携は、見ごたえのあるシーンを生み出している。全体として、音楽という新たなテーマに挑戦した意欲作だが、その描写の細部において賛否が分かれる完成度といえる。
監督・演出・編集
監督はシリーズを長年手掛ける山本泰一郎。クラシック音楽を題材としながらも、アクションシーンやサスペンスフルな展開を巧みに盛り込み、エンターテイメント性の高い作品に仕上げている。特に、クライマックスのコンサートホールの爆破や、コナンとゲストキャラクターが協力して事態を打開するシーンの演出は、緊迫感と高揚感を同時に生み出す。編集もテンポが良く、事件の真相へと向かう推理パートと、アクションパートのバランスがとれている。しかし、一部では、物語の展開がやや強引で、ご都合主義的な側面があるとの声もある。特に、音楽的なトリックや、コナンが窮地を脱する描写には、リアリティよりもファンタジー要素が強く感じられる。
脚本・ストーリー
脚本は古内一成。クラシック音楽という題材をミステリーに落とし込むというアイデアは新鮮で評価できる点。音楽学校出身者が次々と殺されるという連続殺人事件から始まり、コンサートホールでの大爆破計画へとスケールが拡大していくストーリーは、劇場版らしい壮大さを感じさせる。また、コナンが絶対音感を持つソプラノ歌手と協力して事件を解決するという構図も興味深い。しかし、前述の通り、犯人の動機が弱く、物語の説得力に欠けるという批判も存在する。復讐心という個人的な感情が、多くの人々を巻き込む大規模な犯罪へと発展する過程に、深みや必然性が不足しているという指摘は、本作のストーリーの弱点ともいえる。
映像・美術衣装
本作の美術は、クラシックコンサートホールを舞台に、壮麗なパイプオルガンや豪華な内装を描き出し、作品の世界観を構築。色彩設計も美しく、コンサートシーンの華やかさと、事件のシリアスな雰囲気を両立させている。キャラクターの衣装も、コンサートという設定に合わせてドレスやタキシードなどが描かれ、視覚的な楽しさを提供している。
音楽
音楽は大野克夫が担当。クラシックの名曲が作品全体に散りばめられ、ミステリーと音楽が見事に融合している。特に、クライマックスでコナンが「アメイジング・グレイス」を歌うシーンは、物語の感動的なピーク。主題歌はZARDの「翼を広げて」。坂井泉水の生前に制作された未発表曲で、彼女の澄んだ歌声が、物語の余韻を美しく彩る。
作品
監督 山本泰一郎 100×0.715 71.5
編集
主演 B8×3
助演 B8
脚本・ストーリー 脚本
古内一成
原作
青山剛昌 B6×7
撮影・映像 B8
美術・衣装 B8
音楽 脚本
古内一成
原作
青山剛昌 S10
小五郎からコナンへの暴力(=虐待)描写が許せない
さすがに2020年代になって、大人が教育を名目に子供を殴るのは、許されない、と、認識されているけど、この作品の当時はそこまで認識できていない人もいて、それゆえに、小五郎がコナンに暴力を振るう場面が2回も出てくる。
立派な虐待行為を警察官の目の前でやっているのは、笑えない、描写。
本編の内容自体は、見ても見なくてもどっちでも…という感じだった。
コナン映画のなかでは、あまり面白くない方に入るかも。
おっチャンお見事!とはいかず
結構、無理のあるストーリでは無かったでしょうか?
連続で人を殺す動機も弱い気がするしわざわざフルートを小道具にするのも意味不明。
だいたいなんぼ防音していてもあれだけの爆発でだれも気づかないはずが無いでしょ。
音だけじゃ無くかなりの振動もあるはず。
また、柱だけを爆発させるような爆弾を素人が作れるのか?
ピアノの鍵盤を拾っていたのも理解不能。
ピアノだけ最初からよけておくとか、最初から鍵盤の一部を抜いておくとか?
あれだけの調律師がピアノの扱いが粗末では無いでしょうか?
今回は蘭と新一のエピソードが弱かった感あり。
で無理矢理の連続殺人で感動うすかったなあ。
「楽譜」と題名にあるとおり歌と演奏は素晴らしかったっです。
楽譜と書いてフルスコア。 良かった点 ・高木刑事、佐藤刑事に活躍の...
楽譜と書いてフルスコア。
良かった点
・高木刑事、佐藤刑事に活躍の場面がある。今でこそカップルとして出番は多いが、当時としては革新的だった。
・絶対音感を持っていれば犯人がすぐ分かるという仕掛けがしてある。まぁ自分は音痴なのでサッパリ分かりませんが。
悪かった点
・スケールは大きくなったが、余りにもツッコミ所があり過ぎる。いくら防音でも、誰も火災に気付かないということはさすがにありえない。エントランスに警備員なり係員なり100%いる。もしいなくても、あれだけいれば誰かが間違いなくトイレに立つ。
・10作目と同じく、助けられる本人達がピンチだと思っていない。まだマシなのは後でピンチだったと気付く点だろうか。
相変わらず迷走が脱しきれていない。ハラハラする展開が皆無なのだ。
『名探偵コナン』劇場版 第12作
1作目から順番に見ているが現段階で一番面白くなかった
結論から言えば、特に展開が気になるわけでも誰が犯人なのかと考える必要もなく何となく終わってしまった感じ。
見た印象としては、おばさんのツンデレって痛くてキツイ。やはり年甲斐がないと思ってしまう。
あんな感じだけど実はいい人ってのはもしかしたら若さゆえの特権なのかもしれない。
現実世界でも若い頃はちやほやされてたんだろうなという、未だに自分が年を取ったことを自覚していない勘違いおばさんが割といるがそんなおばさんを思い出した。
声でダイアルを入力したシーンは正直、見てられなかった。
そんな一発で的確なHz出せるんかいっていうのと、電話掛けたのは良いとして、なぜあの距離で状況説明をする声が届くのかという謎。
特定のHzの声という音が遠くに届くというのは理解できるが、日本語としての声が届くとは考えにくい。
小さい子供を思い出したら分かると思うが、言葉にならない音としての声。「キャー」みたいな声が店中に響き渡るというのは一度は耳にしたことがあると思うが、店中に響き渡る会話というのは聞いたことがあるだろうか?
「た・す・け・て」と一文字ずつ全力で声を出したのか、状況を説明するシーンがまるまるなかったので真相は分からない。
今回は登場人物が少ない上に、前半に結構人が死んだので中盤当たりから犯人あいつしかおらんやんという感じだった。
いつも通り爆破シーンなど緩急はあったが、今回は推理が面白いわけでもなく犯人誰なんだろうという推察の余地もなく完全に予定調和だった。
今回も小五郎のポンコツ推理は出たが、正直小五郎のポンコツ推理は共感性羞恥なので出来ればあまり見たくない気持ちもある。
大人向きに路線変更した内容としいう触れ込みは間違いではなく、ガキ向...
大人向きに路線変更した内容としいう触れ込みは間違いではなく、ガキ向けキャラの少年探偵団の出番は必要最低限に絞られ、それに伏線というオプション付き。この数年の酷さを考えればまあまあ。
今回は秋庭怜子という新しい相棒とのコンビプレーは僅かなシーンだが上手い。 やはりコナンには単独でのスタンドプレーよりも相棒とのコンビプレーの方が似合う。 そういう意味では服部平次は最高の相棒だろうし、 『名探偵コナン 世紀末の魔術師』で魅せるコンビプレーは上手い(大人の事情により途中でカットされたのが残念)。
クライマックスでコナンが佐藤刑事の狙撃に気付かない鈍感なシーンがあるが、 灰原の笛を使った暗号~コナンの決め台詞への流れを考えればまあ許容範囲内。
今回の教訓としてコナンの相棒には頭の回転が早いキレ者で、 そしてコナンの正体を見て見ぬふり出来る大人キャラが良いと思われる。 現状のレギュラーで適任者は服部平次か灰原しかいない。
佐藤刑事は警察関係者だけに惜しい。 逆に一番向いてないのがワイドショーの如く詮索するのが大好きで世話焼きなお節介なタイプ。 具体的には蘭みたいなタイプ(個人的にこういう優等生タイプは苦手^^;)。
2008年はアヴェマリアとアメージンググレースの当たり年
なぜか10年以上前の“特ホウ王国”を思い出してしまいました。他のバラエティ番組でも紹介されたことのある、2人の声だけで電話をかけるネタ。このDTMFという仕組みによって、受話器をはずし、二つ周波数の組み合わせでプッシュホンをかけることができるのだそうだ。もちろん、2人は絶対音感を持っていなければいけないのです(ただし、ダイヤル回線では無理)。ソプラノ歌手と江戸川コナンの2人による妙技ではあったけど、絶対音感があっても細かな周波数の機械音までは表現できないはずで、よほどの訓練が必要だと思います・・・
最近の劇場版コナンはアクションやアドベンチャーが中心でしたけど、今回の第12作は本格推理モノ。しかも音楽に敬意をはらっているので、若干大人向き・・・のハズだったのですが、ヒントを出し過ぎて、犯人がわかりやすい上に人間関係も読みやすかった。絶対音感というテーマとパイプオルガンのからくりまで読めてしまって面白さが半減してしまいました。また、「音階を記号に」というエピソードはビックリするくらいに端折り気味。やっぱり小学生でもわかるように作ってあるんだろうなぁ・・・最も難しいのが阿笠博士のナゾナゾだったし・・・ちなみに前2作とは脚本家が違い、元に戻っているようです。
いつもと違うのはそれだけじゃありませんでした。蘭はピアノを弾けるしコナンはバイオリンも弾けるとか、ゲストキャラのソプラノ歌手・秋庭怜子が出ずっぱり。最初は冷淡で高慢な女王様風音楽家といったイメージなのに、徐々に素敵なお姉様になってくる魅力的なキャラなのです。コナンじゃなくてもちょっと惚れちゃいそうです・・・
“ゲネプロ”などと個人的に懐かしい用語も聞いたし、音楽で魅せるところも満載。ぜひ劇場で!と言いたいところですけど、犯人との長い対話などもあって緊迫感のほとんどないことが欠点。
コナンがDBバッジを置くシーンがあったのですが、「江戸川乱歩の少年探偵団ではたしかBDバッジだったよな~」などと考えていたら、このバッジがどのような効果を発揮したのかわからなかった(謎)。それと、ドイツはシ=Hだけど、母親がイギリス人だからシ=Bって説明もわからな過ぎる!
〈2008年5月映画館にて〉
アメイジンググレイスで評価上げです。
コナンが、ソプラノ歌手の周辺で起こる連続殺人事件に挑む物語。
随分前に鑑賞済みですが、録画していたものを再鑑賞。
コナンの映画で一番気になっているのは、その犯人の動機です。アクションは多少無茶があっても、そこはアニメですから許容出来ます。
でも、犯人の動機だけは「犯行結果に相応しいもの」を用意して欲しい、と考えています。
その点では、この事件は動機と犯罪行為がアンバランスで戸惑います。「サイコ」とは思えませんし、もう少し違う動機を準備出来なかったのでしょうか?
ただ、映画としてはとても面白い作品でした。ゲストキャラの秋庭怜子は魅力的なキャラクターでした。コナンと秋庭のハモリ、クライマックスの緊迫感、灰原の笛。何より要所に流れるアメイジンググレイスが映画を盛り上げます。
動機だけなんですよね・・・
戦慄の楽譜の名の通り
戦慄の楽譜のタイトルの通り、専門的な音楽の話がところどころに散りばめられている。私は音楽に興味があるのでなるほどと思うことも多かったが、少々説明くさい場面もあり、そこは見ていて疲れる。
音楽についてはパーフェクトといってもいいくらいで、劇中歌のクラシック、効果音、歌声全てにおいて言うことがない。だが、作品自体と合っているかと言われると微妙。もったいないような気がする。
黒づくめの組織が関わっていないので、しっかりとした推理(謎解き)もあるが、コナンマニアは少し物足りない事件かもしれない。もう少し事件の迫力が強調されていれば、もっと面白かったかもしれない。
最近のアニメはタイトルがいちいちかっこいいですね。 原作の阿笠博士...
何回も見る事がある縁のある作品な気がしてます。今回、コナンの超絶ア...
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