「お母さんの秘密にびっくり!」パリ、恋人たちの2日間 gatoさんの映画レビュー(感想・評価)
お母さんの秘密にびっくり!
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機知に富んだコメディはいつだって大歓迎です。
主演のマリオンを演じたジュリー・デルピーが脚本と監督。
彼女がユーモアを好きだなんて、驚かされて嬉しくなってしまいます(なにしろ以前見た「トリコロール・白の愛」ではきつい印象を抱いたものですから)。
アメリカ人のジャックとフランス人のマリオンは旅先からニューヨークへ戻る途中、彼女の実家があるパリで2日間を過ごすことに。
独りよがりでナイーブなジャック。そんな男が彼だなんて気の毒なマリオン、と思うのも一瞬のこと。
二人が出歩く先に現れるのは、元彼、元彼、元彼。
タクシーに乗れば運転手はひとり残らず危ないやつで、アメリカ人が大嫌い。
マリオンの父親は歩道に停めた車を傷つけて喜ぶ変わり者だし、母親はプライバシーの概念なし。
ゲイに言い寄られ、泥棒に間違われ、フランス語が分からないジャックのストレスはたまるばかりです。
そしてマリオンの切れること、切れること。
ここにいたってジャックはマリオンのことを全然分かっていないことに気づきます。
遅かったなあジャック君。
またひとり気の毒な男が増えてしまいました。
お気に入りのシーンをひとつ。
「パリでどこを見たい?」という家族の質問に、ジャックは「ジム・モリソンの墓」
その瞬間いやな沈黙が流れるのですが、映画後半で母親(デルピーの実の母)が明かすその理由にびっくりしますよ。あまりの事実に呆然。
すごいお母さんなのでした。
デルピーは「白の愛」でもけっこう危ない女を演じていましたが、今回の役どころはそれより数段上。やりたい放題やったという感じが伝わってきて、思い切りの良さに拍手。
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