「POV(一人称視点)の臨場感は断トツ。期待のし過ぎは禁物。」クローバーフィールド HAKAISHA アルさんの映画レビュー(感想・評価)
POV(一人称視点)の臨場感は断トツ。期待のし過ぎは禁物。
突如、得体の知れない"何か"に襲われるマンハッタン。避難しながら不自然過ぎる程に頑なにカメラを回し続けるが、この映画の醍醐味なので、『カメラを止めるな!』と言われなくても止めない。電池長持ち。
導入部分のパーティーがだいぶ冗長だと感じてしまったが、登場人物達を深掘りしていたと考えると納得。その深掘りは後半の感情移入にも響いてくるので、あまり仲良くない人の送別会に付き合いで参加しているつもりで鑑賞。
何て事のない日常、幸せな1日、明るい未来。そんな時間を一瞬で奪い去り、絶望に変えてしまった"何か"。本当に最後の最後、ラストシーンまで正体を教えてくれないのは良い。
自由の女神の首が無いジャケット写真がメインビジュアルになっているが、その首を凄い良いタイミングで使っており、効果抜群な演出。監督の満足気な顔が見えそう。このとてつもない一撃で本作の印象を鑑賞者に突き付けた監督の勝ち。
ただ、誰もが予想しなかったラストに評価が分かれた感。私も思わず『えっ!?』と声が出てしまった。85分と珍しく短めの映画なので、しっかりエピローグは入れられたと思う。
20年近く昔の映画と考えるとかなり攻めた内容と手法。個人的にはオススメ。ラストの2人のシーン、画面真ん中よりちょっと右側を注視すると"何か"がわかる。
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