「ジュノの母親がかっこいい」JUNO ジュノ あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
ジュノの母親がかっこいい
2007年アメリカ映画。96分。今年13本目の作品。ぽすれんで借りました。眠りにつけず(もともと不眠症体質)憂さ晴らしに携帯のぽすれんサイトにいって、予約リストを埋めつくしていたあの夜にどうやら本作を入れていたようです。
内容は;
1、パンクに熱狂している高校2年生の女の子、ジュノは成り行きで同級生と交わり妊娠してしまう。
2、当初は中絶を考えていたが偶然の気まぐれが重なり出産して、養子に出すことを決意する。
3、ハイソな若夫婦にもらわれることも決まるが、またまた色々かさなり雲行きが怪しくなる中、出産が刻一刻と近づいていく。
この手の繊細な女子の心を描いたガールズ映画をまえにすると、わたくしは意味不明な畏怖の念をもってしまい、例え出来が悪かったとしても酷評することを憚るようになってしまうのです(だって、わたくしだって女性から生まれてきたわけなのですから)。そういった意味で卑怯な映画です。
そんなことを考えながら本作を観たわけなのですが、これがいいのです。なにがいいかというとジュノの破天荒さと、その親のこれまた破天荒な良識ぶりが。わたくしの母親は当時の時代から考えればかなりエキセントリックだったに違いない思想をもった(素晴らしい)女性で、あの親にして(だから)俺なんだと妙にしんみりしてしまいました。
妊娠、出産というのは女性にとっては体を張った一大イベントなわけで「努力」というのは「女のまた(又)の力」なんだぞと言われたこともあります。そんなわたくしの母親の姿にジュノを照らし合わせて観てしまいました。
そんな個人的な感慨は(みなさん聞きたくないでしょうから)さておき、男の視点から本作の何に着目したらいいかというと、ずばり妊娠は運命だということでしょうか。うろたえ、たじろき、後悔する男性ばかりが本作では描かれるのですが、そんな男(ども)らに対しても愛のまなざしがあります。「女は妊娠で母になり、男は出産で父になる」。なるほどね。
わたくしは育てられかたが良かったのか女性の妊娠という局面を体験したことがありません。ですので、本作を観てていまひとつ現実感がわきませんでしたが、そういった局面を前にしたときに自分がどうあるべきかということを考えるきっかけに本作はなりました。
ほんと、すいません。