「自然体を演出した脚本家・監督・役者が一体化した作品。」JUNO ジュノ コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
自然体を演出した脚本家・監督・役者が一体化した作品。
内容は、90年代アメリカが舞台の高校生が繰り広げる妊娠コメディドラマ。好きな言葉は『海底2万マイルから聞いてるから大丈夫!』主人公と友達がショッピングモールで里親になる母親に大きくなったお腹を蹴る子供に触って話し掛けてみてくださいと伝える場面。この場面は最後に脚本家がどうしても母性愛を目覚めさせる場面として追加で加えたいと監督に訴えた場面。仲の良い監督と脚本家の信頼関係が窺い知れる所がリアルの追求にストイックさを感じさせます。好きな場面は、『好きな人とずっと幸せではいられないの?そんな関係を信じたい!』と主人公が、離婚を経験した父親に出産後訴える場面。主題は人により捉え方は違うと思いますが、多様性による各人の幸せを自然体に伝えたかったんだろうなと感じました。主人公女性(ジュノ)の表現は感情豊かでユーモラスなのに自然体に徹していて素晴らしかったです。余計にカットされたシーンが多く短くて楽しいのですが、短過ぎで説明不足の否めない所が少し残念でしたが、観る人の気持ちに訴えかける様な素晴らしい映画だと思いました。全く関係ないですが、主人公の女の子が現在至るまでの15年間にあれほどLGBT🏳️🌈問題に悩んで変化してるのは驚きと共に、『ヘアスプレー』の主人公のその後にも似てる様で何だか切ない様な複雑な気持ちの後味になったのを覚えます。それは監督や脚本家や俳優も数々の挫折や劣等感をクリエイティブに昇華し表現する作品が認められた運の良い素晴らしい映画です。
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