ジェシー・ジェームズの暗殺のレビュー・感想・評価
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虎の威を借る狐の末路
ジェシー・ジェームスは義賊でもなく、単なる強盗の極悪人だったのだけれど、いわば鼠小僧のようにどこかでイメージ転換が起きて有名な人物になってしまっている。
若い頃なら一定数の人が抱く、有名になりたい、注目されたい欲。それを満たす手段としてジェシーを暗殺した男と言うポジションを得た男。
でも所詮彼自身が何か成し得て持ってた名声ではないので、虎の威を借る狐の末路はこうなりました、といった最期を迎えている。
若気の至りとはいえ、いくら相手が悪人とはいえ、有名になる手段が人殺しではね…。
確かに幼少期の彼にとってジェシーは憧れだったのかもしれない。偶像を自ら壊して果たして満足するのかどうか。私は経験がないからわからないが。
変な話、すごく憧れてる人の下で働くのは夢が壊れるからやめた方がいいかもね、な教訓になる…か?
淡々と進むので面白かったかと聞かれると微妙。
信頼できない関係ー緊張感
主人公は、ロビン・フッドとかねずみ小僧みたいな人なのか。このアメリカでは有名についていけないもどかしさで全編にもやもや。もうちっと襲撃と義賊的行為や、人物の関係を紹介してくれたら、また観たくなるのに。
勉強不足はやむなく、一緒に生活しながら、どこかしらぎこちなく緊張感で張りつけた感覚が伝わる。緊迫感の糸はあっけなく切れる。圧巻はメインの二人の演技力だね。
大地の美しさ、カット割りのセンスも良いと思う
前半の人物関係が分かりにくい。ジェシー・ジェイムズやその一味の知識...
前半の人物関係が分かりにくい。ジェシー・ジェイムズやその一味の知識がないとやや辛い。
暗殺までの尺が長すぎ。ブラピゆえに引っ張りすぎたか。
暗殺後の方がむしろ衝撃的だった。
なんせ長すぎ。人物関係把握のため見直したりした。基本もう見ることはないだろう(笑)
アメリカで英雄と呼ばれるジェシー・ジェームズ。 自分には何もないと...
アメリカで英雄と呼ばれるジェシー・ジェームズ。
自分には何もないという青年が彼に憧れ、暗殺までの過程を描く。
感情の変化、リアル感、緊張感のある映像、良かった。
彼は憧れが強すぎたんだなぁ。
いつ殺されるか分からない恐怖
ブラッドピット扮する無法者ジェシージェームズは、偽名を名乗り引っ越しを繰り返し身内にも得体が知れない人物だった。ケーシーアフレック扮する19歳のボブはジェームズ兄弟の強盗仲間になりたいと近づいて来た。ボブは引っ越しの手伝いなどジェームズに使われていた。そんなジェームズでも家庭は大事にしていたようだ。しかし、仲間内からジェシーは殺しに来ると噂がたてらりたりしたがジェシーは病におかされていた。やっぱり強盗仲間なんてのは平気で殺し合い仲間意識も友情も希薄なんだよな。お互い疑い始めていつ殺されるか分からない恐怖。たまらんね。
ウェスタン・ノワールでしょうか?
この感じ、初めて「ゴッドファーザー」を観た時とシンクロします。
題材こそウェスタンですが、乾いてて、冷たくて、胃が痛くなる作品。
まーキャストが上手い・凄い‼️
ブラピの威圧的な存在感といい、ケイシーの繊細な演技も然ることながら(この頃は細くてお髭もなくて美しい)、サムの毎度期待を裏切らないアシスト。ホント好きです。
なんで今まで見てなかったのかしら?
ウェスタンっていう括りが邪魔をしたかもです。
強盗,殺人と悪党のジェシー。ジェシーに憧れて強盗団に入ったロバー...
強盗,殺人と悪党のジェシー。ジェシーに憧れて強盗団に入ったロバート兄弟。憧れから段々と恐怖心を持つようになり、殺される前に殺そうと思うようになる。懸賞金にも揺らぎ、警察と手を組むことに。兄弟がジェシーの一挙手、一言に敏感に怯える様子が実によく表現されていた。
ジェシーもそんな2人に気がついていながら、肌見放さなかった銃を外したり、背中を見せたり、このまま捕まるよりはいっそのこと、と覚悟を決めたのだろう。
ジェシーを殺害したのに逮捕されないなんて、今では考えられない。
ブラット・ピットは悪役でもやはりカッコ良し😍
英雄と、英雄を暗殺した者の末路
17人も殺し、列車強盗を25件も犯したジェシー・ジェームズは懸賞金がかかるほどの大悪党であるはずなのに、「ジェシー・ジェームズ物語」という書も出版されるほど有名人。彼に憧れて列車強盗団に入ったボブ・フォードだったが・・・という物語。2月13日はジェシー・ジェシー・ジェームズが世界で初めて銀行強盗を成功させたために「銀行強盗の日」という記念日になっているほどだ。
強盗団はかなり親族で占められていて、新しい仲間も加わっていくと、不要な人物は殺害されるという恐ろしさ。途中加入のフォード兄弟(サム・ロックウェルとケイシー・アフレック)もビビる表情がなんとも言えないくらい素晴らしい。憧れと恐怖、そして裏切る行為に至る困惑気味の表情。どちらかというと、サム・ロックウェルにも助演男優賞を授けたい気分になる。
メンバーから外されたこと、仲間だったウッド(ジェレミー・レナー)を殺してしまったことが運命を決定づけた。ボブにとってもジェシーは英雄。義賊としてのエピソードは描かれてなかったが、やっちまった後ろめたさがそれを表現していたように思う。そして懸賞金目当てのために警察との取引。もう後戻りはできないが、一緒に暮らすうちに殺される恐怖に怯える・・・
終盤は蛇足のようにも思えたけど、両者の隆盛と衰退が絶妙なまでに描かれる。本当に恐怖心だけで暗殺したのか?殺すことで英雄になれると思ったのか?兄のチャーリーの末路も考えさせられるし、一攫千金なんて虚しいだけだとも訴えているような・・・まぁ、個人的にはバーで冷やかしの歌を歌ってるほうが気楽でいいわぁ。
難しい事を淡々とやらせる映画
心理サスペンスですらないよ。かといって文芸作品でもないし。良かった。編集やカット割りでもっと「大作」らしく仕上げることができたであろうなあとは思ったけど刺さる人には刺さる系かな。
演技力だけでこの空気感の画面を3時間近くも持たせる凄さ。整合性も正当性もないヒリヒリした人間関係がただ展開していくのをカンザスの吹きっさらしの荒野に立ちすくんで傍観してた感じ。ブラピなんて呼んじゃ失礼なブラッド・ピットの演技力に唸らされたのはこれが2作品めかな?
光と影とロジャー・ディーキンス
個人評価:4.0
すごぶる骨太な西部劇ゴッドファーザー。ブラピの作り出す凍りつくような緊迫感を、サム・ロックウェルの名演で、よりリアルな空間に仕上がっている。孤高の荒くれ者の光と影。まさに光と影の魔術師ロジャー・ディーキンスの撮影で、よりその陰影が色濃く写る。
淡々として地味だが、言外の演技が光る
静かで哀愁漂う作品です。風景なんかも美しい。しかし長尺で淡々とした物語の運びで、私にジェシージェームズの知識がゼロだったこともあり、前半は退屈に感じてしまいました。
後半は終始空気が張り詰めてくるので、楽しめました。疲れもしましたが。
演者はとても良かったです。
ブラッドピットが渋い。場面によって気のいい感じにも、気難しそうにも見え、何を考えているのかわからない怖さがありました。やっぱりブラピの演技好きです。
ケイシーアフレックも同様に何を考えているのかわからない怖さと知的な雰囲気。終盤は序盤と印象が変わるので少し戸惑いましたが、良かったです。彼のジェシーに対する心理描写は控えめというか、正直掴みにくかったです。観た人に考えて欲しいということなのかもしれません。
私が一番好きだったのはサムロックウェル扮するチャーリーです。登場人物の中で一番普通の人っぽく、感情移入しやすかったです。場の雰囲気を良くしようと頑張って明るく振る舞っていたり、いい人そう。上記2人の感情が掴みづらい分、心理描写はストレートでわかりやすいです。サムロックウェルも感情が伝わりやすい演技をしているように思いました。
他に特筆したいのは、ぎこちない会話をしながら食卓を囲むシーンと、終盤にジェシーがボブを笑えない冗談でからかうシーン。場の空気のヒヤッ…具合がエグくて素晴らしかったです。表面上は笑ったりしているのが更に心の内の疑念や不安を際立たせて、観ているこちらも怖くてヒヤヒヤしました…もはやホラー感覚です。
圧倒的な力を持つと恐れられて孤独になるし、賞金をかけられれば命を狙われたり、裏切られることを考えて疑心暗鬼になって、常に気を張っていないといけなくなってしまうでしょう。ジェシーはもしかしたらそんな生活や自分自身に疲れ果てて、暗殺されたら楽になれると考えてもいたのかもしれない。そう思わせるような描写も見られました。悲しい…。
話の内容とはマッチしているのですが、全体的に地味な印象。登場人物が多い割にセリフや説明が少なく、関係性や状況がわかりづらいのがもったいないかなと思います。
セリフが少ないので言外での心理描写、表情や仕草での演技が光ります。上記した俳優さん達が好きな方にはおすすめできるかと思います。ちなみにジェレミーレナーも上記3人に比べると脇役寄りですが出演しています。
裏切り兄弟
娯楽性やアクションなど見せ場となるシーンの一切を省き淡々と進む話展開の中、核となる二人の心理描写が深く描かれていて映画全体の渋みが増す。
今や知名度抜群のJ・レナーにS・ロックウェルが好演していたことやN・ケイヴも出ていたなんて最初に観た時は気付きもせずに!?
序盤のS・シェパードの渋い存在感と何をやらせても様になるB・ピットに弱々しいが野心も見え隠れした小物感を繊細に演じたC・アフレック。
憧れとしての人物に対するファン心理、起こしてしまった、犯してしまった行動は過ちとして後悔の念だけが残る。
え!実話!?
物凄く面白かった。
ジェシーの哀しさや男っぷり、カリスマ性が観ていてヒリヒリするくらい伝わってくる。ジェシーの最期のシーンは緊張感で魅入ってしまった。殺されることをわかって、覚悟を決めて、表情は一切変えずに敵に背を向ける。痺れた。
今年観た中で一番かっこいい役。
光と影の芸術
何を見せて何を省略するか。アンドリュー・ドミニク監督の映像美学に、映画の基本中の基本を学ぶことができた。この監督はすべての作品で一貫して、米国が逃れられない略奪と殺戮の螺旋を、最大級の皮肉とともに告発している。今後の作品にも注目し続けたい。
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