「目的の分かりやすい、地に足のついた一本。 副題を「ZERO」にした弊害が…😅」ウルヴァリン:X-MEN ZERO たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
目的の分かりやすい、地に足のついた一本。 副題を「ZERO」にした弊害が…😅
スーパーヒーローチーム「X-MEN」の活躍を描くアメコミアクション映画『X-MEN』シリーズの第4作にして、主人公ウルヴァリンに焦点を当てたスピンオフ『ウルヴァリン』シリーズの第1作。
ローガンがどのようにして「ウルヴァリン」になったのかが明かされる。
ローガン/ウルヴァリンを演じるのはヒュー・ジャックマン。ジャックマンは本作の製作にも携わっている。
新たなキャラクターとして、ローガンの所属していた「チームX」のメンバー、ウェイド・ウィルソン/デッドプールを演じるのは『ブレイド3』『ラブ・ダイアリーズ』のライアン・レイノルズ。
製作総指揮はスタン・リー。
人気キャラクターであるデッドプールやガンビットの扱いが悪すぎるということで、原作ファンからの評判がやたらに悪い本作。
しかし、原作を全く知らない自分からしてみると、そんなに悪い作品とは思えなかった。『ファイナル ディシジョン(2006)よりも全然出来は良いと思うし、人気の高い『2』(2003)よりも好き。
たしかに多くの人が指摘しているように、CGのクオリティは酷い。なんか『2』や『3』よりもレベルダウンしている気がする。ウルヴァリンの爪なんて、もろ偽物とわかる酷さ。約10年前に公開された『1』(2000)よりも酷いと思う💦
ビジュアルは陳腐かも知れない。
しかし、愛する者を奪われた男の復讐劇という分かりやすい物語は、王道ゆえの力強さがある。
行く先々で因縁のあるミュータントと出会い、戦ったり仲間になったりする展開にはRPGみたいな楽しさがあるしね。
ストライカーのクソ野郎っぷりが凄まじくて、逆に清々しさすら感じました笑
オープニング・クレジットの、ローガンとビクターが何十年にも渡り戦場を渡り歩いているということをモンタージュ風の映像演出でみせるところ、凄くスマートだしカッコ良い。ヴァンパイアもののような儚さもある、幻想的な見せ方だと感心しました。あからさまな『プライベート・ライアン』(1998)のパロディがあってちょっと笑っちゃったけど😅
批判の集まるデッドプールですが、全然デップーのことを知らない身からすれば、全く悪いと思わない。
初登場時の日本刀ブンブン振り回すシーンかっこ良かったし。
ポストクレジットシーンの「シー🤫」も良かったです。
あれ第四の壁を超えているという演出なのね。デップーってそういうキャラなんだ。へー。
しかし、デップー演じるライアン・レイノルズって「最もセクシーな男」に選ばれるほどの色男なんですね〜。
全くセクシーさを感じないんだけど、これは自分が変なのか?セクシーというより、コメディアンみたいな親しみやすさを感じる役者だと思うんだけどなぁ。
不満点も多いんだけど、結構好きですこの映画。ローガンの魅力を引き出せていたと思うし、クライマックスのビターな感じも良い。
CGの酷さは…。まぁ東映の特撮番組だと思えば我慢できます!
兄であるビクターの行動原理がさっぱりわからなかったけど、この辺りは次回作でわかるのかな?次にも期待!!
余談ですが本作の原題は『X-Men Origins: Wolverine』。
「origin」という言葉を分かりやすくする為に「ZERO」にしたんだろう。
それ自体は良いと思うのですが、本作の登場人物にエージェント・ゼロっていう奴がいるじゃないですか。…ゼロとZEROが被ってんだよなぁ。まるでウルヴァリンとエージェント・ゼロの物語みたいになっちゃってんだよなぁ。
細かいところだとは思うんだけど、こういう配慮の無さって凄く気になってしまう。