劇場公開日 2010年4月10日

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「感じたことは二点、「人間の非情さ」と「時間の考え方」」第9地区 minoo-kamuroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0感じたことは二点、「人間の非情さ」と「時間の考え方」

2011年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

興奮

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停船している大きな宇宙船。そこは、南アフリカ共和国の
ヨハネスブルク上空。

船が故障してしまったため船内の謎の生物は、
地球に降りてくることに。

乗船していた謎の生物、エイリアンの外見は、まるで「エビ」。
エイリアンは地上に移り、隔離地区である「第9地区」で難民として
地球人と20年間、共存していた。

「第9地区」は、人間とエビとの争いが絶えないため、
MNU (英:MULTI-NATIONAL UNITED) と呼ばれる超国家機関によって
管理・監視されていた。

MNUの職員であるヴィカスは、エイリアンたちを、
さらに離れた彼ら専用の居住区域である第10地区に移住させる
プロジェクトの責任者になる。

ヴィカスは、立ち退き要請の同意を得るため第9地区を訪れるが、
その道中に見つけた謎の液体を浴びてしまう。

謎の液体を浴びてしまったヴィカスは、責任者から追われる
立場に一変。壮絶で孤独な、人間との争いが始まる。

・その時、ヴィカスの味方になったのは?
・ヴィカスを捕獲する人間の目的は?

そして、結末は・・・?

ヴィカスが黒い液体を浴びてから、
72時間(3日間)の壮絶な戦いが、
繰り広げられます。
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正直なところ、
過激なシーンが多いので、
観る時は、覚悟がいるかと思います。

最後の最後まで、
緊張するシーンの連続でした。

この映画を観て、
深読みかもしれませんが、
次のことを感じました。

・人間の非情さ
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責任者のヴィカスの感情の変化や、
登場人物の行動に、
人間の非情さを感じるシーンがありました。

攻める側、攻められる側・・・

利用する側、利用される側・・・

ヴィカスの役柄は、とても演技力が求められると思いますが、
シャールト・コプリーが見事に演じています。

・時間の考え方
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エイリアンと人間(ヴィカス)の、
時間の考え方の違いを感じました。

人間は時間をかけずに物事を進めるがために、
行動が荒くなります。その最たる例が「武力行使」。

それは映画の中でも、
エイリアンに容赦なく行われます。

かたやエイリアンは、
ある物の生成のために、
長い時間をかけて地道に行動を続けます。

そして、そのエイリアンが時間をかけたものを、
いとも簡単に奪おうとし、
利用しようとする。

最後のシーンでエイリアンが、
ヴィカスとある約束をしますが、
ひょっとするとその約束は、
私たちが想像できない長い時間をかけて、
果たされるのかもしれません。

minoo-kamuro