「家族をめぐる魂の巡礼」ツリー・オブ・ライフ momogaria-noさんの映画レビュー(感想・評価)
家族をめぐる魂の巡礼
神に問いかける形で、ストーリーは展開する。
宗教に興味のない私もそうだ。
自分の中で常に何者かに話している。
私という人間は醜いでしょうか?
常に繰り返される、記憶を紐解いて、問いの答えを探し求める行為。
その最も内なる私的な行為を、1つの家族をとおして表現している。
美しい母の愛、子供を厳しく育てる父の愛、兄弟への愛それらは
この世界が悲しみだけではないと示している。
この世界は生きるに値すると・・・暖かい視点で映画は描かれる。
私たちが実際に生きる世の中は、うまく生きるのは難しい。
人は生きて行くなかで、どうしても耐えられない苦しみに出会う。
身を引きちぎられる様な、痛み、怒り、混乱。
自然を主とした映像は、美しさと、厳しさで人を圧倒しひれ伏すが
自分の無力さを許容し、海を漂う水の一滴に過ぎないと気づかされる。
誰かをなくした苦しみの印も
少しづつでも確実に薄らいでいくに違いない
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