「人間スパイダーマン面白かった!泣いた!」アメイジング・スパイダーマン tarさんの映画レビュー(感想・評価)
人間スパイダーマン面白かった!泣いた!
やっと見ることが出来て、まさにアメイジング!
サム・ライミ版があるのになぜアメイジング版を作るのか公開当時は謎でしたが、観てその意味が分かりました。
一言で言うと、サム・ライミ版は、コミカルなヒーローで、アメイジング版は、人間的なヒーローだ。
ポイントとしてサム・ライミ版とこのアメイジング版のヒーロー像が全く違うところ。
サム・ライミ版のピーターは、大切に育てられて期待に応えようとするいい子ちゃん、苦悩を表に出さないいつもニコニコして自分の中で問題解決をしようとする。正義感はあまり描かれず、彼女のことで頭がいっぱいな青年。
アメイジング版のピーターは、いじめられている子がいたら助けてしまうような正義感があり、親がいないことに寂しさを感じながら生きてきて、生き方や生きがいを感じながら生きている孤独な青年。
ヒーローには恋の話も付き物だが、サム・ライミ版は好きな子が居て初めから好き好きオーラ全開。アメイジング版は、自然な出会いに次第に惹かれあっていくところはなかなか初々しい。
私は派手なアクションより人間ドラマが好きなので、サム・ライミ版の薄口でマンガチックな人間の描き方より、アメイジング版の方が心情を描いていて心にしみ感動しました。
両者の描き方が全く違うので、人によって面白みを感じるポイントも違うので、どっちがどっちとそれぞれ良い作品であるので好みで別れるでしょうね。
私はこちらのスパイダーマンの方が断然好きになりました。
初めいじめっ子だったフラッシュが次第にいい奴に変わっていきます。そして最後にはスパイダーのシャツを着るまでに変わります、こいつスゲェと。
現代にスーパーヒーローは居ませんが、光のある行動が人を変え、世界を変えていく力があることを、子供が見る映画で見せていくことはとても素晴らしいことです。
また悪役もとても良かった。見た目の派手さは無いかも知れないが、化学者の心情の描き方も上手く、手が復元した時は本当に感動もの。
最後には善人に戻るのも凄く良かった。
罪というのは人間の欲望なのだろう。歪んだ欲望がされば善人なのだ。
薄っぺらいヒーロー映画が多い中、今の時代でもこんな素晴らしいヒーロー映画を作れる人がいるのに嬉しくなりました。
ヒーローには、スーパーマンのように地球外からやってきた宇宙人と、人間が超人的な力を持つタイプがありますが、スパイダーマンは後者なので、人間的な悩みや葛藤、そして人間の子供というところ、子供ならではの無鉄砲さ純粋さユーモアがあり、子供が世界に触れ大人になっていくところは、誰もが経験するところ。ドラマとして面白くそこをきっちり描いている本作によって、スパイダーマンが人間ということが最大の魅力だと再発見しました。