劇場公開日 2008年8月1日

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「迫力あるバトルは必見!力対力の肉弾戦が楽しめる!」インクレディブル・ハルク YuuuuuTAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0迫力あるバトルは必見!力対力の肉弾戦が楽しめる!

2017年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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場面は主人公ブルース・バナー博士(エドワード・ノートン)が
籍を置くカルバー大学の実験室から始まる。
バナー博士自身が被検体となり、
放射線の耐性テストをするが実験は失敗。
その結果、心拍数が200を超えると
緑色をした筋骨隆々な大男に変身してしまう身体に…。
この時、科学者2名、将校1名、州警察官1名、ハンター2名が
命を落とすことになる。

軍に追われる身となり、逃亡生活を余儀なくされる。
逃亡先はリオデジャネイロ最大の
貧民窟(ファベーラ)であるホッシーニャ。
飲料工場でアルバイトをしながら、元に戻る方法を探していた。

バナー博士を追う軍は、精鋭部隊を招集し追い詰めにかかる。
ロシア生まれ英国育ちの英国海兵隊から派遣された
兵士エミル・ブロンスキーは、
ハルクと相見え、その力に圧倒されるとともに嫉妬する。
自分もその力を手に入れようと不穏な動きに出る。
狙われたハルクは無事でいられるのか。
そしてハルクは元の身体に戻れるのか…。

最後まで飽きることなく見れた!
バトルシーンとバナー博士の苦悩が
程よく混ざり合っていて動と静のメリハリがあると思った。
特に印象的だった要素は3つ。

まずは、バナー博士が初めてハルクになって暴れるシーン。
(実験失敗のシーンを入れると2回目)

バイト先の工場内で軍の精鋭部隊に追い詰められ
ハルクに変身する。
銃で攻めてくる軍隊をいともかんたんになぎ倒し、
その場を去っていくのだが、
一連のアクションの中で、2階の高さにいるブロンスキーを
ハルクが下から睨み付けるシーンがある。
このときの迫力がすさまじい!
身長が2.8mもあるハルクの大きな顔が画面いっぱいに映し出され
ブロンスキーになった気分で危機的状況が味わえる!
このできごとをきっかけに
ブロンスキーはハルクと戦えるだけの力を欲するようになった。

2つ目はヴィランとの戦闘シーンだ。
夜の街中で渋滞して乱雑する車をなぎ払いながら戦う。
今作のヴィラン アボミネーションは身長3.3m。
ハルクと違い自覚を持っている。

戦闘中は、車を投げ飛ばす。
殴られればビルの向こう側まで吹っ飛ぶ。
どれだけ高い所から落ちてもへっちゃら。
「キングコング: 髑髏島の巨神」の
キングコングvsスカルクローラーや、
「ジュラシックワールド」で見せた
キメラ恐竜 インドミナスvsティラノサウルスに負けるとも劣らない
ド派手なバトルを楽しませてくれた!

3つ目は人間の内面にもフューチャーしていること。
派手なアクションだけがウリではないというのが
この映画が評価されるゆえんだ。
バナー博士の苦悩・葛藤や恋人への募る思いなど
ヒューマンドラマの要素も持ち合わせているのだ。

これはバナー博士を演じたエドワード・ノートンが
表現したかったことだと思う。
ノートンは一度オファーを断ったが、
脚本を全とっかえしてもいいという約束を監督と交わし
出演を承諾した。
撮影後のインタビューで本人も述べているが
影のプロデューサーとして脚本・編集にも携わり
ストーリーをテコ入れしたらしい。

そもそも、コテコテのSFアクションに出演するつもりはないのだ。
過去の出演作品を見ても、「ファイト・クラブ」や
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」など
ストーリーに定評のあるものばかり。
より人間の内面を描いた作品が好きなのだろう。
そんなノートンの意向が作品にいい味を出している。

とは言え、マーベルがおくる
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)である以上
今後につながる伏線は満載!

事の発端となった実験失敗は、放射耐性テストなんかではなく
第二次大戦中、極秘裏に開発が進められた
兵力強化プロジェクトを復活させるためのものだった。
より強力な軍隊をつくるために。
バナー博士は詳細を聞かされることなく実験に関与していたのだ。

ロス将軍(リブ・タイラー演じるベティ・ロスの父親。
娘とは絶縁中)が、
第二次大戦中に開発された血清を取り出すシーンでは
保存用の圧力容器?にDr.Reinsteinという名前が
印字されているところが映される。
これはキャプテン・アメリカが投与した血清を
作った科学者の別名。

これら2点はのちの
「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」へ
つながる大きな伏線となっている。

さらにハルクの行動を止めるために
使用された超音波を発する兵器は
スターク・インダストリーズ社製のものだったり、
ハルクが雷雨の中、雷に向かって吠えるシーンンは
ゆくゆくマイティ・ソーと戦うことを暗示していたり
するなんて話もある。

ひとつの映画を見るだけで、複数の映画とのつながりを楽しめる。
それがMCU最大の醍醐味!
シリーズ全体の内容理解を深める意味でも
単体作品として派手なバトルシーンを楽しむという目的でも
満足できる映画だ。

Trinity