劇場公開日 2009年2月20日

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「まさしく老獪!でも。。。」チェンジリング あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5まさしく老獪!でも。。。

2009年5月4日
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

3月半ば、新宿バルト9で観てまいりました。

イーストウッド作品としては「ミリオンダラーベイビー」以来となります。イーストウッド作品は特徴として、背景に流れる監督の思想そのものにかなりの偏りを感じつつも、老獪なストーリーテリング術でうまくエンターティメントとして創っているなという印象があります。

本作のテーマは、ある意味わたくしたち日本人にも身近なものです。「帰ってこない息子を『それでも』と待ちつづける母親」の物語。それをイーストウッド監督は抑圧された映像美と、厳格かつ冷静な語り口で描いていきます。じわじわと母性愛が浮かび上がってきます。

そんな母性愛が、わたくしの想像力に悲痛に宿ってきていました。が、後半で何故か収縮してしまったのです。

それはたぶん本作が、事実を基にしたミステリー作品なのか、はたまたミステリー仕立てのノンフィクション作品なのか、観ていてどっちともつきがたい創りになっているからです。宣伝から判断すると本作は後者なのですが、映画の導入から中盤までは、前者の創りになっています。

わたくし的には、この語り方の変化に心の体勢を変えられ、正直後半から伝わりにくくなったのです。これはあくまで、「伝え方」を重視するわたくしなりの批評でした。。。

あんゆ~る