劇場公開日 2009年5月29日

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「スタートレック童貞を捨てるのに良い作品なのだろうか?」スター・トレック ヨックモックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スタートレック童貞を捨てるのに良い作品なのだろうか?

2019年2月24日
PCから投稿

みんなにもあるはずだ、見てないことが後ろめたい傑作というものが。
ましてやスタートレックはシリーズも山とあり、何を見ていいのかがわからない。
そんな中で「J.J.エイブラムスなら外さんだろう」という理由で選んだのが本作だ。

短い時間の中で詰め込みすぎでは?と思うほどに密度の高いストーリー展開(超展開気味とも言う)ではあるものの、そういうものだと割り切って見れる素晴らしい構成とテンポ感は見事としか言いようがない。さすがはエイブラムスなのだろう。
一回の士官候補生ごときが軍艦の艦長まで勤めて英雄に上り詰めていく様を強引に押し込んでいくパワープレイは気になるが、少年心はきっとこういうのが好きなのだろう。巨大戦艦を操ってビームで撃ち合いしてる時点でリアリティなどよりもガキっぽいロマンを優先させた映画なのだ。様式美にこだわるのはいいことだ。

一方で、宇宙船外を描くシーンではちょくちょく無音のシーンを入れていたり細かいところでリアリティを入れるあたりに「ちゃちい素人が作ったSF映画じゃねえぞ?」という矜持らしきものも垣間見えるのが面白い。

敵の人がよくある宇宙制服をたくらむ悪の総統ではなく、哀愁を背負った復習者というのもなかなか物悲しくて良いものだ。

こういう馬鹿になって見れるSF映画ってもう誕生しないのかなぁ…。きっと売れないのかな。

ヨックモック