「まさかまさかの綺麗事」ジャンパー プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかまさかの綺麗事
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主人公の高校生が、ふとしたきっかけでテレポート能力を身につける。
そして何度も練習して自在に能力を操り、銀行の金庫から大金を盗む。
が、やがて謎の敵に命を狙われるようになる。
そんな中、高校時代に好きだった幼馴染の女の子を訪れ、
彼女がずっと夢見ていたイタリア旅行を実現。
そこで再び命を狙われるが、自分と同等の能力を持つ男に救われる。
その男に色々聞くと、自分達はジャンパー、敵は何とか言うらしい。
何百年にも渡って争いを繰り広げて来た因縁の仲らしい。
狼男とヴァンパイアみたいな仲ということなのだろう。
そして主人公の父は殺され、幼馴染の女の子も命を狙われる。
この男にしつこくつきまとって、ようやく協力して戦うことになる。
最初は有利だが、幼馴染をさらわれてしまう。
相方の男は幼馴染ごと焼き尽くそうとする。
主人公はそれは許さじと必死で妨害し、単独で敵も倒し女の子も救出。
実は主人公の母は敵の一族だったことが判明し、終わり。
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やたらと評価が低いのでどんな映画かと思ったら、普通に面白かった。
とにかく短いのですぐ見終わるし、展開も早い。
まあSFなんで色々と無茶なところもあったが、別に苦にならなかった。
でも最後はあり得へんのじゃないのかなあと思うけどなあ。
誰も持たない(と思っていた)能力を身につけ、必死にそれを磨き、
さっそくその能力は銀行強盗に使う主人公。この現実的さは好き。
綺麗ごとではない、20代の人間ならそうするのが普通だろう。
なのになのに、何故最後は幼馴染を助けようとしたのだろう?
現実的に見て、幼馴染共々敵を闇に葬るのが正解だろう。
そうせずともハッピーエンドになったのはこれが映画だからだ。
普通は幼馴染だけでなく自分と相方も全員死ぬ。
この女を死なしてまで、自分が生き続ける事に意味がない・・・
そう考えたのなら主人公の行動もあり得るとは思う。
でも久しぶりに会って、まだ数日くらいしか経ってないのに、
普通はそんな感情はわかないだろう。
徹底的に自分に正直に、利己的に生きて欲しかった。
選ばれし人間なのだから、そうしても映画としては許されるだろう。
最後の最後で綺麗事になってしまったことが非常に残念。
でもそれ以外は、評価ほど悪い映画だとは思わない。