「ドラえもんもどき」ジャンパー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラえもんもどき
いわゆるエスパーものなのだがお決まりの正義の使者ではなく自己中な青年であるところがミソ、大人社会の理不尽さが見えてきたジュブナイル世代の共感を狙ったのかもしれない。
子供向けのテレポーテションではドラえもんのどこでもドアが頭をよぎる 、気弱な主人公もどこかのび太君風だし幼な馴染みのミリーもしずかちゃんに被って見える、ジャイアンもどきの悪童もしっかり登場。ただ、デヴィッドには叱ってくれるドラえもんが居ないから非行に走ってしまいます。
逆に監督はそうさせたくて母親との別離、暴力的な父親像など口実を添えたのでしょう。
一応SFだから時空のワームホールぽい演出、それならX-Menのナイトクロウラーより遠くへジャンプできる、なにか魔女伝説に似たエスパー狩りの組織があって命を狙われることにしてサスペンスやアクションを盛り上げている。
超能力の源泉は明かされないが電気には弱いらしいし、ワームホール生成妨害装置などハイテク風かと思ったら、留めが古めかしいナイフというのも吸血鬼や狼男退治に似せて古典的な雰囲気も織り込んでいる。
見どころはローマのコロッセアムやエジプトのピラミッドなど世界の名所が登場するところでしょう、東京は夜のシーンでしたがシルバーのベンツで疾走していましたね。
金庫泥棒やロンドンのバーでのナンパなどやることがおじさんめいていてドン引きですが、透明人間でもタイムマシンでも超能力を得ると欲望の誘惑に惹かれるのは俗人の常なのでしょう。
まあ、難しいことは考えずに鑑賞できるポップコーン・ムービー、そこそこ楽しめました。