「DCの希望の光は消えていない」ジャスティス・リーグ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
DCの希望の光は消えていない
アメコミの元祖でありながら、映画ではマーベルに遅れを取っているDCフィルム・ユニバース。
不評、不評、不評、やっとの絶賛(あくまで作品評価)…鳴り物入りで続き、何とか漕ぎ着けたヒーロー集結。
が、全米では期待を下回るOP成績、またも鈍い批評…。
結局DCはDC…と冷ややかな声が聞こえてきそうだが、個人的には面白かったと思うぞぃ!
ご贔屓『ワンダーウーマン』には及ばずとも、何でこれがDCユニバースで最も低い成績なのか不思議でならない。
まず、話が単純明快になって、グッとヒーロー映画としてのエンタメ性が増した。
地球に巨悪が迫る。スカウト、集結、結束、決戦。
ヒーロー集結映画のツボや王道は抑えられている。
何より今回、作風がかなり明るくなった。この効果が非常に大きい。
勿論少なからず暗いトーンは残っているが、それはマーベルだって同じ。各々の苦悩や葛藤、悪の闇や恐怖…。
それらを踏まえても、『BvS』の時のようないつまでも辛気臭い雰囲気は感じなかった。
バットマン、ワンダーウーマンはすでに紹介済みなので、要紹介は新ヒーロー3人。
超速のヒーロー、フラッシュ。
海底王国のヒーロー、アクアマン。
人体と機械のヒーロー、サイボーグ。
何と言ってもフラッシュのキャラがいい。
ジョークばかり言ってるチャラい少年。
彼の軽い性格が作風に明るさをもたらした。
戦闘経験ゼロでちょっとびびってはいたが、超速能力はスゲーもんで、チームの役にはちゃんと立っている。
後、あのヒーローと超速対決…おっと、これはネタバレになっちゃう。
アクアマンもサイボーグも簡潔に紹介済ませ、まあちょっと書き込みは浅かった気もするが、後は今後の単独作品で。サイボーグなんかは上手くやれば、なかなか深み持たせる事の出来るキャラになると思う。
DCユニバースの舵取り、ザック・スナイダーが事情でまさかの途中降板し、引き継いだのは、こちらもまさかのライバルのマーベルの前舵取り、ジョス・ウェドン。
これが結果的に良かったと思う。
明らかにスナイダータッチではないキャラ描写・展開・テンポが見受けられ、それがまた娯楽性をアップさせていた。
スナイダーの降板と共に音楽のジャンキー・XLが降板したのも残念だが、ピンチヒッターにベテランのダニー・エルフマン。お陰でこれがお楽しみになった。
バットマンのシーンにはティム・バートン版のバットマンのテーマが使われ、思わずニヤリ。勿論ワンダーウーマンのシーンにはジャンキー・XLの音楽が使われ、あのヒーローのシーンにはあのテーマ曲が…おっと、これもネタバレになっちゃう!
ヒーローを集い、宇宙からの巨悪と戦う。
が、バットマンにはもう一つ目的が。
あのヒーローの復活。
ある超パワーでそれが可能だが、それはまた同時にルーサーの二の舞になる危険性も秘めている。
そんな危険な賭けをしてまで、彼が必要か…?
彼が死に、世界は希望の光を失った。
それに乗じて忍び寄る、闇と恐怖…。
結束すれば立ち向かえる。
しかし、この絶体絶命の危機には大きな力が必要だ。
希望の光の灯火が…。
強いて言えば、悪役。確かに脅威的ではあるが、ちょっと物足りなかったかな…。
それでも、DCユニバースでは上々のエンターテイメント。
それに、ワンダーウーマンのカッコよさと美貌をまた見れたのが嬉しい。
エンディング後のオマケ映像にはアイツが登場。
このヒーローチームに立ちはだかるのは、やっぱりアイツ!
個人的には悪党集団も登場させて、美女戦士とキュートな悪女の共演を…!(是非!)
悪評DCのイメージはそう簡単には払拭出来ず、きっとこれから厳しい声が出始めるだろう。
それに同調すれば便乗とか言われるし…、
面白かったと言えば、ハァ? コイツ、ツマランDCを面白いなんて言って感性おかしいんじゃないの?なんて言われそうだし…。
DCは時々感想に困る時がある。
自分自身に素直になれば、これまでのも一定には面白かったし、今回は満足出来た!