劇場公開日 2008年4月26日

  • 予告編を見る

「映画を汚してしまった音の渦」ゼア・ウィル・ビー・ブラッド antさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5映画を汚してしまった音の渦

2008年4月28日

笑える

怖い

興奮

映画はにダニエル・デイ=ルイスが肉体のみで見せる演技でスタートする。これは傑作になるかもしれないと思った瞬間に大音響で流れる音楽がすべてを台無しにしてしまった。音楽が悪いのではなくボリュームが大き過ぎる。この映画はBGMが大きくなる数箇所ですべてが白々しくなる。ダニエル・デイ=ルイスの演技はこの映画ではあれ正解。彼に対抗するは牧師、息子、弟が束になってもかなわない。「俺にはむかう者はみんな潰してやる」と思いきや、息子(無表情に近い少年がいい)の運命が予想外、それについて考えると面白い。あれはロバート・アルトマン的な世界から旅立とうとするポール・トーマス・アンダーソンを重ねているのかもしれない。といわけで監督にとっては過渡期的な位置付けになるはず。

ant