「らんちゅうと赤とんぼ。」歓喜の歌 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
らんちゅうと赤とんぼ。
笑った笑った。面白い。(爆)
メチャメチャ面白かったです。まさに歓喜の歌(by小林薫)。
でも、優美なコーラス映画を期待しない方がいいです。
そういうシーンももちろんありますが(由紀さおり師匠の歌声)
ここでいう「歓喜」とは小林薫の鼻息に近いものがあります^^;
あれだけいい加減な公務員が(また、いそうなところが怖い)
大晦日にあれほどのことをやればもう大歓喜♪でしょうから。。
立川志の輔の落語が元になった本作は、冒頭から黒ネタ満載。
背後に流れる男性コーラスが(これが効いている)不気味さを増し、
まるでテーマソングのようにこの話を引っ張り始めます。
えー?なに、このいい加減さ!と思うくらいの優柔不断な態度、
コーラスそっちのけで展開する下世話ないがみ合いに失笑が漏れ、
それと同時に、どうしようもない役人どもの本性が見え隠れ。。
…なんて書くと、なんだか芯まで腐っているみたいですが(爆)
落語って、ちゃんとオチまで話を持っていくところがいいですね。
ろくでなしの主任の立ち回りと、それぞれのコーラス夫人の生活。
よくまぁこれだけ演技派をそろえたなぁ(オバサン役に)という位
素晴らしい演技派の面々が顔を揃え、嫌みを連発させます。
市長夫人に片桐はいりが登場するんだけど、
彼女は大いに予想を裏切って、かなり大人しかったですね。^^;
あとは予想通りに楽しめます。彼女らの中に紅一点(!)咲くのが
安田成美演じる"みたま町コーラスガールズ"のリーダーの美しさ。
指揮者役の彼女が上手から登場するシーン(すぐに分かります)の
いい加減さを差し引いても^^;キレイ!!
そんな中で一番感動できるのが
藤田弓子が演じる、リフォーム兼ラーメン屋の女主人かな。
彼女が差し入れる「餃子」=「まごころ」がやっと主任の
胸にも通じ、彼を奮起させて、ラストの大団円へと流れ込み…。
他人が見ているところでしか胸を張れない意気地なしが、
全知全能をつぎ込んで仕上げたのが、ホールの大改装工事。
あんなことたった一日でやれるわけがないんだけど(爆)
彼の頑張りに合わせて、コーラス夫人たちが土建屋で歌う
「赤とんぼ」には大爆笑。案外みなさん、いい人たちでした♪
いろんな努力の大結晶・歓喜の歌。
あーやっぱり、大晦日にはこの歌だな、と素直に思えます。
でも、撮影は真夏に行われたらしいです(汗)
私的に、一番可哀想な目に合っているのは筒井道隆かなぁと^^;
(「らんちゅう」ってやはり高いんですね!見た目イマイチなのに(汗))