劇場公開日 2007年12月15日

「籠の鳥を野に放つ」中国の植物学者の娘たち きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0籠の鳥を野に放つ

2022年6月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

絶体父権の名家の庭に
囲われて囚われて、“亡妻の代用品”のように、そして“使用人”のように扱われていた娘アン。

独りぼっちのアンの心の扉をノックしたのは震災孤児のリー・ミンだった。

エリック・レヴィのストリングスと二胡の音が、孤独だった二人を静かに包んでゆき、紫水の水面にそっと彼女たちを解き放つラスト・・
花よりも軽く、銃弾の値段よりも安いのが女の命か。

監督ダイ・シージエは、官費留学生としてパリに渡ったあと本国に戻らなかった人だ。
バルザックやフロイト そして孔子など、思索の深い小説を寄留の地で、フランス語で発表し続けているのだと。
納得の本作だ。

監督がなした《放生会》は、女たちの解放と自然な愛情が、祖国中国でも受け入れられるようにと祈ってなされたものと思う。

鳩は何羽要るだろうか、108羽か、それよりもっとか。

・・・・・・・・・・・

赤い花、
赤い提燈、
赤いラベルの酒瓶・・
そしてリンの鼻血と破瓜の血。
女も生きている人間なのだと、緑と蒼にむせ返る山水の村に、赤い挿し色が生きて息づいて訴えている。

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・

追記:
桂林かと思ったらロケ地は“諸般の理由により”ベトナムとのこと。
「生めよ増やせよ政策」をやったかと思えば「一人っ子政策の強制」。
富国強兵で世界の中華になろうとする中国にとっては、産児制限を意のままに操れなくなる同性愛は、儒教思想への軽視を差し置いて共産党国家に対する反逆・重罪なのだろう。

「同性愛は生産性がない」とぶち上げた日本の杉田水脈さんとか云う国会議員の先生もおられましたがね
┐(´д`)┌ヤレヤレ

·

·

きりん
きりんさんのコメント
2022年6月14日

ディズニーのアニメでの同性同士の短いキスがダメ。
本作が昔話ではないことがよく判る報道

Yahooニュース2022.6.14
『バズ・ライトイヤー』14か国で上映禁止 同性カップル描写めぐり

きりん
きりんさんのコメント
2022年6月12日

「七元八角」
本日の為替レートで150円ほどです。

きりん
きりんさんのコメント
2022年6月7日

杉田語録
「男女平等は、絶対に実現し得ない、反道徳の妄想です」(2014年10月31日、衆院本会議)
どんだけ~

きりん