劇場公開日 2008年3月8日

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「リメイク・ザ・羅生門スタイル。」バンテージ・ポイント マロピさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0リメイク・ザ・羅生門スタイル。

2008年3月14日

興奮

一つの出来事を、多視点から捉える、繰り返すという往年のクロサワ映画でいう「羅生門」スタイル。
僕は、このスタイルでは「アモーレスペロス」が秀逸な作品だと思っていましたが、娯楽性においては、この「バンテージポイント」に軍配が上がる。
また、観終えて、真っ先に浮かんだのがここの所続く邦画界のクロサワ映画へのリメイク。
過去の作品をリスペクトするのは間違いではないが、リスペクトに終わらず、追いつき追い越せの精神を忘れてはイカンと思ってます。古典とは、こういう形で発展させなきゃ!と強く思いました。

さてさて本題の映画レビューですが、突っ込もうと言えば突っ込むところはいくらでもあるのですが(テロリストが極悪に徹しきれていないところとかは痛い!!)、欲を言えば、テロリスト側のバックボーンを台詞の説明だけでは終わらせて欲しくなかった。
オープニングからグイグイ引きこむだけに、登場人物へ感情移入しにくく、一傍観者として終始してしまうのが残念なところ。

良い点としては、それぞれのエピソードが、ちょうどいい「おい、もうちょっとこの先を見せてくれよ!!」と言うところで切れており、常に大好きな番組の「次週に続く・・・」みたいな気分を味わえるので鑑賞中の緊張感が高く、エンディングに向けて収束していく際には十分なカタルシスが得られるというサスペンスドラマとしては一級品。

一人で観るもよし、デートムービーにもよし。
(オマケ)
シガニー・ウィーバー出演もエイリアンは出てこないので怖くも無いので◎。

マロピ