劇場公開日 2009年1月24日

「問題提起、知らない現実」誰も守ってくれない ツアステ侍さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5問題提起、知らない現実

2019年12月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

事件には加害者と被害者が存在する。
それらが天涯孤独でない限り、加害者家族と被害者家族が存在し、ともすれば親戚縁者をも巻き込む。
そんな相関関係の中で加害者家族の保護という考えた事もないテーマがこの映画だ。
確かにこの視点は興味深い。

ニュースを見て視聴者となった我々は加害者家族含めて悪とみなす。加害者を生み出す素地が家庭にあると決めつけるからだ。
感情論で言えば、加害者側に情状酌量の余地は無い。
その反面、人権という憲法に保障されている権利を遵守するために警察機関が率先して保護をするという矛盾がもどかしい。

私個人的な意見ではあるが、犯罪において被害者側より加害者側が何故にそこまで擁護されるのかと疑問だらけな現実に嫌気はさしている。
非人道的な事件を犯した者に、年齢問わず人権は剥奪されてもいいと思う。問答無用なのだ。

さてこの映画。
10年前の作品で既にネット炎上が盛り込まれる。
そんな先進的なマスゴミからテレビや週刊誌のマスゴミがリアルに描かれて興味深い。
前半圧倒的なスピード感でドラマが進み一気に引き込まれる。
惜しい事に、最後が締まらない⤵️

佐藤浩一さんはこういう重い主人公にピッタリだ。
また、当時16歳の志田未来ちゃんはとてもこの歳とは思えない演技力。
今だに一線で活躍できている片鱗が充分に見る事が出来る。

零式五二型