「救われないラスト」ミスト dobubobaさんの映画レビュー(感想・評価)
救われないラスト
20年前に、この原作(骸骨乗組員?だったっけ?とかいう短編集の[霧」)を読んでいましたが、正直、内容は忘れていました。ただ、見ているうちに徐々に思い出され、ラストもぼんやり思い出してきました。読み直してみないとハッキリしませんが、確か、フランス映画みたいに行く末を暗示するようなラストだったと思います。しかしながら、この映画のラストは個人的には、とってもじゃないけど好きになれないです。息子をもつ身としては特に・・・。
「嵐の後のスーパーで買い物中に、突然霧に包まれてしまう主人公と息子。そして、その霧の中には・・・」というパニック・ホラーなのですが、肝は常軌を逸していく人間たちのほうにあり、アメリカ人の80%以上が信仰するとある宗教を吐き気が催すほど原理主義的に悪辣に描きます。多分、観客全てがこのウザいキャラをどうにかしてくれ!と思ったはずで、ダラボンが付け加えたショッキングなラストは、その観客たちへの警鐘なんではないか、と勝手に思ってしまいました。
キングの短編集には、映像化されていない良作がまだあったはずですが、ダラボンが監督するなら、どれも良くなりそうで楽しみです。
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