「ストーカー男にドン引きする前半の99%」コレラの時代の愛 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーカー男にドン引きする前半の99%
ハビエルの黒歴史か w
「ライオン・25年目のただいま」という感動名作があったが、本作はまったくもって「50年目の“がぶり寄り”日記」である。
マザコンにしてシスコンのおっさんの生き様については、うーん、どう反応してよいものか・・622ページ、たっぷり悩ませてもらった迷作であった。
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50年越しの愛にあなたは感動できますか?
以前に観た「セレンディピティ」という、ライトタッチなアメリカのラブコメ、
⇒あれは恋人たちの“すれ違い物語”だった。
あの映画で、劇中の小道具として登場し続ける一冊の本、それが「コレラ時代の愛」、その初版本。
南米のノーベル賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの著書だった。
あれをきっかけにようやく本作DVDを探し当てての鑑賞。
マグダレナ川
オリノコ川
ラプラタ川
ネグロ川と
巨大な河が滔々と悠久の時を従えて流れる「河川小説」が原作。
時の河は流れて止まらない。
しかし人間たちの思いは遥か大河を遡りゆき、流れに乗ってゆっくりと下り、再びそこを遡る。
舞台としては不足はない。
ところが延々と見せられるのは盛りのついたキモ男の女体への沈溺なんですが。
「マカ」はかの地南米の名産だが、梅毒もあの地の風土病だったはずたがなぁと、雑念妄想に悩まされる。
オスカー俳優にも、そりゃあ黒歴史はあるだろう。
原作者がいくらノーベル賞作家でも、脚本の出来や監督のパーソナリティーを見抜いて出演の可否を決定するのがいかに俳優にとって難しい事なのか ―
それを証明する好例かもしれない。
原作は
大著だが、Amazonのレビューでは好評価を受けている。
映画ではなんの狙いか、矢鱈とトップレスを登場させるばかりで、あれは視聴率を稼ぎたかっただろうか?
仕舞いにはハビエルの汚い全裸も見せられたが・・萎えた。
B級。
「あ!この男、ちょっと変だ・・」
市場で再会したときのフェルミナの「直感」。
ああいう「直感」は終生大切にしなければならないのです。
ところが、最後の1%のエンディングで、多少文学めいたシーンを持ち込んではみてもキモ男の挽回は無理なのに、
フェルミナに失礼でしょ!
僕の制止も聞かず毒牙にかかるフェルミナ。
唖然とする他なかった。
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赤ひげ薬局提供
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