13歳の夏に僕は生まれた

劇場公開日:

解説

裕福な家庭に育った少年が過って海に転落し、様々な国籍の不法移民たちがひしめく密航船に救い上げられ、人生に目覚めるヒューマン・ドラマ。監督は「輝ける青春」のマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ。出演は「心の中の獣」のアレッシオ・ボーニ、マッテオ・ガッローネ監督「Primo Amore」のミケーラ・チェスコン、本作でデビューしたマッテオ・ガドラほか。

2005年製作/120分/イタリア
原題または英題:Quando Sei Nato Non Puoi Piu Nasconderti/Once You're Born You Can No Longer Hide
配給:コムストック
劇場公開日:2006年6月3日

ストーリー

北イタリアの裕福な家庭に育った少年サンドロ(マッテオ・ガドラ)。13歳の夏、父親と地中海クルージングに出かけたサンドロは、過って真夜中の海に転落してしまう。不法移民を乗せた密航船が偶然通りかかる。見て見ぬふりをして航海を続けたい船員の怒りを買いながら、イタリアをめざす不法移民たちの一人、ルーマニア人の少年ラドゥ(ヴラドゥ・アレクサンドル・トーマ)が海に飛び込み、サンドロを船にひきあげた。ラドゥは、妹のアリーナ(エスター・ハザン)と一緒に船に乗り込んでいた。様々な国籍の難民たちがひしめきあい、水も食料も足りない船上に引き上げられたサンドロは、温かい親の保護下から一転、生き残るための試練にさらされ、さまざまなことを学ぶ。やがて海上巡視船に発見された密航船は、移民センターのある港へ曳航されていく。サンドロは彼を迎えに来た両親に、二人の兄妹を助けて欲しいと懇願する。この13歳の夏の体験が、彼のなかで何かを変え始めていた。彼の熱意に応え、父らもまた移民たちに対する恐れと偏見を乗り越え、ラドゥとアリーナを家に引き取ろうとする。しかし、年齢を未成年と偽証し強制送還を言い渡されたラドゥは、引き裂かれたアリーナをセンターから誘い出し、サンドロのもとに向かった。そして困惑するサンドロの両親に向かって片言のイタリア語で法律や社会の非情さ・不条理さを訴える。その晩、ラドゥとアリーナは、家の金品を盗み、サンドロに黙って逃げ出した。裏切られたサンドロの悩み苦しむ日々が続く。そんなある日、アリーナからミラノに来てほしいという電話が入る。そして彼が訪れた街の一角では、信じられないような厳しい現実が待ち受けていた……。

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映画レビュー

3.0衝撃のラスト映像

2019年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 テーマとしては、裕福な家庭に育った少年サンドロが不法移民を乗せた船に助けられ、様々な国の難民や貧しい人々と接し、世の中の価値観が変化するという、いわば少年の成長物語です。最初はボートから海に落ちてしまい、暗い海の中で漂う様は『オープン・ウォーター』を思い出すような映像でしたが、助けられたときには小さい船に100人以上乗っているかのような悲惨な密航船映像。凄すぎますよ、この船。クロアチア、モンテネグロ、クルド、アルバニア、インド、スリランカ、モロッコ、スーダンなど様々な国籍の難民が乗り合わせ、わからない言葉が飛び交うシーンでは、あたかも観客が無国籍地帯に放り出されたかのような感覚に。

 裕福な家庭の少年という設定では、小市民的観点からするとこのサンドロ少年の心のほうが掴みにくい。ラドゥとアリーナの兄妹に心を許すものの決定的な繋がりに欠けているのです。自ら「信用するな」といった台詞には、彼らにこれ以上失うモノがないという投げやりな気持ちも含まれていたと思うのですが、同じ行動を取ろうとしても最後には帰る家があるサンドロには友達になるくらいの軽い気持ちだったのではないでしょうか。

 しかし、この映画はなかなかいい。ぜひ裕福な少年たちに観てもらいたいものです。

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kossy

4.0世界は広い

2015年4月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

題名通り、同じ祖国(イタリア)の景色が事件の前後で全く異なって見えるようになる。思春期の年頃と不法移民という重いテーマを絡ませて、最後まで見せる。ラストでアリーナ(ルーマニアから来た妹の方)は体を売って生きながらえていることが分かったが、兄の方の消息は分からないまま終わってしまう。

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ガク

4.0ハリウッドの娯楽映画には無いリアルな現実

2015年3月30日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

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松井の天井直撃ホームラン

3.513歳の目を通して

2014年8月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

いろんな境界線を見せつけられる映画だった。
13歳という、大人と子どもの境界にある少年の目を通すことで、より世の中の不条理を突きつけられる。
大人の本音と建前、大人と子どもの境界、同じ子どもであっても存在する年齢の境界、国籍の境界。
それでも子どもの心は、素直に動く。
ラストシーンが印象的。

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