劇場公開日 2006年6月3日

13歳の夏に僕は生まれたのレビュー・感想・評価

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3.0衝撃のラスト映像

2019年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 テーマとしては、裕福な家庭に育った少年サンドロが不法移民を乗せた船に助けられ、様々な国の難民や貧しい人々と接し、世の中の価値観が変化するという、いわば少年の成長物語です。最初はボートから海に落ちてしまい、暗い海の中で漂う様は『オープン・ウォーター』を思い出すような映像でしたが、助けられたときには小さい船に100人以上乗っているかのような悲惨な密航船映像。凄すぎますよ、この船。クロアチア、モンテネグロ、クルド、アルバニア、インド、スリランカ、モロッコ、スーダンなど様々な国籍の難民が乗り合わせ、わからない言葉が飛び交うシーンでは、あたかも観客が無国籍地帯に放り出されたかのような感覚に。

 裕福な家庭の少年という設定では、小市民的観点からするとこのサンドロ少年の心のほうが掴みにくい。ラドゥとアリーナの兄妹に心を許すものの決定的な繋がりに欠けているのです。自ら「信用するな」といった台詞には、彼らにこれ以上失うモノがないという投げやりな気持ちも含まれていたと思うのですが、同じ行動を取ろうとしても最後には帰る家があるサンドロには友達になるくらいの軽い気持ちだったのではないでしょうか。

 しかし、この映画はなかなかいい。ぜひ裕福な少年たちに観てもらいたいものです。

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kossy

4.0世界は広い

2015年4月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

題名通り、同じ祖国(イタリア)の景色が事件の前後で全く異なって見えるようになる。思春期の年頃と不法移民という重いテーマを絡ませて、最後まで見せる。ラストでアリーナ(ルーマニアから来た妹の方)は体を売って生きながらえていることが分かったが、兄の方の消息は分からないまま終わってしまう。

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ガク

3.513歳の目を通して

2014年8月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

いろんな境界線を見せつけられる映画だった。
13歳という、大人と子どもの境界にある少年の目を通すことで、より世の中の不条理を突きつけられる。
大人の本音と建前、大人と子どもの境界、同じ子どもであっても存在する年齢の境界、国籍の境界。
それでも子どもの心は、素直に動く。
ラストシーンが印象的。

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散歩道