劇場公開日 2006年6月3日

「最後の最後で、かつてない「まさか!」の衝撃に飲み込まれる」ステイ ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5最後の最後で、かつてない「まさか!」の衝撃に飲み込まれる

2018年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

難しい

マーク・フォースター監督はとても不思議な人だ。私たちのいる世界を一つのフィクションと捉えるかのように、主人公を取り巻く世界からふわりと浮遊してはるか上空からその生き様を活写してみせる。商業映画一作目となる「チョコレート」が大きな話題になったため、それに続く本作は許される限りの自由な変化球。それでも“俯瞰する視座”は相変わらずだ。デヴィッド・ベニオフが脚本を手がけただけあり、この映画の謎である部分には、少なからずあっけにとられるはず。この仕掛けがこれほどうまくいったのも、ユアン・マクレガーやライアン・ゴズリング、ナオミ・ワッツという全く先読みさせない芸達者たちを持ち駒として周到に配置したからか。ちなみに本作で少年の持つ風船は、「プーと大人になった僕」の風船や、「君のためなら千回でも」の凧とも相通じるものを感じる。何かをしっかりと繋ぎ止める事は、フォースター作品で特別な意味を持っていそうだ。

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牛津厚信