劇場公開日 2006年4月15日

「「永遠の妹」「国民の妹」と称されるようになったムン・グニョン。『箪笥』の演技もよかったけど、今回は「ダンス」だ!すると、『箪笥』ではタンサーだったのか・・・」ダンサーの純情 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「永遠の妹」「国民の妹」と称されるようになったムン・グニョン。『箪笥』の演技もよかったけど、今回は「ダンス」だ!すると、『箪笥』ではタンサーだったのか・・・

2020年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 単純なストーリーと皆さんが仰っているので、何も考えずに見ていたら、主人公のチャン・チェリン(グニョン)は中国人なのか朝鮮人なのかわからなくなってしまいました。執拗なまでに“オジサン”という言葉を連発する彼女に対し、「北の訛りをなんとかしろ!」と苛立ちを覚えていたダンストレーナーのヨンセ。やっぱり北か?中国の朝鮮族?ともかくダンスのパートナーになるには偽装結婚をしなければならなかったということも設定をややこしくしていました。

 ライバルの策略によって足に怪我をしてしまい、パートナーまで失ってしまったヨンセ(パク・コニョン)は、先輩の勧めで中国の自治区でチャンピオンとなった女性を迎えることになった。ところが、そのチャンピオンには婚約者がいるため、代りに妹がやってきてしまった。その妹にしょうがなくダンスを教え、偽装結婚を摘発しようとする警察への対策もとらねばならないという、ラブコメタッチで物語は進む。ダンサーとしての再起をかけ、大会まで3ヶ月という短期間で猛特訓する、典型的なサクセスストーリーかと思いきや、意外な展開も・・・

 ムン・グニョンはかなりダンスの特訓をしたようで、レッスン初日からスピンの速さで圧倒されてしまいました。最終的には、アレグロというバレエを取り入れた高難度の技までやってのけるので、浅田真央ちゃんもビックリです。一方、パク・コニョンもミュージカル出身の新人俳優で、踊りのぎこちなさが全く感じられないくらいです。椎名吉平にも似ているし、大和田獏にだって似ているような気がしましたが、ファンに怒られそうなので断言は避けておきます。

 ホタル、ドレス、バスガイド。嫌味のない伏線も自然に取り入れて、爽やかな感動を呼ぶ作品でしたが、一番泣けたのが足を投打され、チェリンの荷物にやつあたりするシーン。このヨンセの激情が好きでした。

〈2006年5月映画館にて〉

kossy