「シェーン・ブラックの作家性が炸裂したノワールなカルト作」キスキス,バンバン(2005) よねさんの映画レビュー(感想・評価)
シェーン・ブラックの作家性が炸裂したノワールなカルト作
『リーサル・ウェポン』の脚本で脚光を浴びたシェーン・ブラックの初監督作品。冗談のようなきっかけでハリウッドに招かれたNYのコソ泥ロバート・ダウニーJr.とハリウッドで安い仕事を請け負う私立探偵ヴァル・キルマーがコンビを組んでダウニーが巻き込まれた殺人事件の真相を追う、という派手さがまるでないお話にLAの昼と夜をそれぞれ赤味と青味を強調した映像でクッキリとコントラストをつけ、自身のノワール趣味を全編に滲ませつつ細かいギャグをそれこそバンバン詰め込んだ異色作。
当時薬物問題で人気が低迷していたダウニーが本作で見せた軽快な演技が後の『アイアンマン』主演抜擢に大きく貢献したのは間違いなく、その後『アイアンマン3』でのシェーンとの再タッグにも繋がっていく、映画の外側にもあるドラマにも感慨深いものがあります。
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