劇場公開日 2005年12月10日

「スペースジュマンジ」ザスーラ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5スペースジュマンジ

2020年3月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

ウォルターとダニーの兄弟は毎日喧嘩ばかり。
両親は離婚し、双方の家を行ったり来たり。
そんなある日父親が住んでる古い家の地下室で、ダニーが宇宙を舞台にした古ぼけたボードゲームを発見。
暇潰しにプレイしてみたら、ゲームの出来事が現実にも起きて…!

人気作『ジュマンジ』の宇宙版。
原作者が同じで設定も似てる事から、よく『ジュマンジ』の続編と言われる事があるが、話に全く繋がりは無く、あれはあれ、これはこれ。
姉妹編/ご親戚というのが正しい。
後の『クローバーフィールド』作品みたいなもん。

『ジュマンジ』は“ジャングルアドベンチャー”だったが、こちらは難易度アップのスペースアドベンチャー!
流星群飛来に始まり、ロボット襲撃、巨大重力の炎の惑星、お助けキャラ、そして獰猛なトカゲ型エイリアン、願い事が叶えられる流れ星…。
他にもスリル、ハラハラ、危機の連続!
果たして、クリア出来るのか…!?

家が宇宙船のようになって大冒険!…なんて、童心くすぐる。
また、ボードゲーム自体がレトロなので、本作のSF要素もレトロ風なのが堪らない。
あのロボットなんて1956年作『禁断の惑星』のロボットみたいだし、トカゲエイリアンも往年のB級SFにあんなの居た。
極力CGではなく、ミニチュアやスタン・ウィンストンによる特殊技術で演出。
それらが本当に往年のSF映画を見ているようだった。

そんなSF要素だけではなく、ドラマ部分もお粗末にされていない。
とにかく仲の悪い兄弟。些細な事ですぐ喧嘩、お互い大声で喚き立て、見ててイライラするほど。
どっちがいい悪いと描かれていないのがバランス良し。
弟は兄に構って欲しい。でも、それが時々しつこい。
兄はしつこい弟がウザい。でも背伸びした大人のような態度が素っ気ない。
兄弟居る人なら誰もが経験/共感するあるある。
昔は仲良かったのに、今は…。
顔を合わせれば、口を開けば、喧嘩、喧嘩、喧嘩…。
喧嘩の原因も些細なら、仲直りのきっかけも唐突だったり、意外な事だったり。
さすがに宇宙の大冒険はそうそう無いが(って言うか、絶対無い!)、兄弟が再びお互いを必要とし、協力し合い、絆を見つめ直していく様は、これぞファミリー・ムービーの良質要素。

さすがに幼い兄弟二人で宇宙のアドベンチャーは不安。
お助けキャラ登場。謎の宇宙飛行士。
時折性格に難だが、何故か兄弟を守り、喧嘩の仲裁に入る。
その驚きの正体は…!?
ある事を後悔し続け、兄弟がそれを取り戻し、ラストに感動を盛り上げる。
それから、兄弟には姉が居る。兄弟の事がウザくて面倒臭くて堪らない、今風ティーンエイジャー。途中参加だが、お助けキャラになったのか、お邪魔キャラだったのか…。

改めて見たら、監督がジョン・ファヴローで、兄役は『ハンガー・ゲーム』のジョシュ・ハッチャーソンで、姉役はクリステン・スチュワート。後に活躍する面々ばかり。
『ジュマンジ』は何度も見たが、本作は多分レンタルされた頃に一度見たきりなので、ほとんど覚えていなかった。
やはり『ジュマンジ』の方に愛着はあるが、本作も本作で面白かった。
久し振りに見て良かった。

近大