歓びを歌にのせてのレビュー・感想・評価
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残念な村人と悲劇の音楽家
冒頭から子供の頃のいじめ、母親の目前での事故死のシーンなど気の滅入る導入部、病で指揮者を辞して村に帰るのだが、幼少期のいじめのトラウマを克服したかったのだろうか。
それにしてもユースオーケル村の人々の残念なことは夥しい、牧師までが妬みで人殺しまがいの堕落ぶり、弱者へのいじめや暴力、そりゃー人間だから欠点はあるだろうが酷過ぎる。さんざん気落ちさせておいて最後は音楽で浄化されますの狙いだろうが素直に感動できない。
「音楽で粗野な人々の心を拓く」というモチーフからして上から目線、黒人霊歌や綿摘みの労働歌を持ち出すまでもなく旨かろうが下手だろうが歌は人々の暮らしと共にあることは歴史が物語っているでしょう。これがスェーデンの片田舎の民度なのか、ドキュメンタリー風での問題提起としても映画にしてまで観る気になれない。題名からもう少し清々しい音楽映画を期待してしまったのが間違いだった。
素晴らしかった
『ツタヤに行ってこれ借りよう』で推薦されていて見た。素晴らしかった。
DV被害の奥さんがメインボーカルをする歌が素晴らしく感涙してしまう。
主人公がどう考えても童貞にしか見えなかったのだが、都会に行ってモデルみたいな女たちに囲まれているのを見たら、あれ?と思った。学校を買い取って好きに使うのが楽しそうだった。オレなら海辺の学校がいい。最後死んでしまうのはあんまりだった。最後に舞台で指揮をしてから死ねばよかったのに。
神父がひどかった。エロ本を隠していたのがとても面白かった。
DVDが古くて音声が2.0chしかなかった。でかい音で音に包まれてみたかった。
人の心を開く音楽を創りたい
映画「歓びを歌にのせて」(ケイ・ポラック監督)から。
解説にある通り、指揮者として大成功を収めた男が心臓を病み、
田舎のコーラス隊の指導を通して新たな人生の歓びを見いだしていく。
その新たな歓びとは、人間として生きている歓びであり、
人を愛する歓びやみんなで1つの音を作っていく歓びなのであろう。
何もかもに疲れ、一度、音楽からは身を引いたはずの主人公が、
「人の心を開く音楽を創りたい」とコーラス指導をはじめた時から、
素人の集まりだった音楽隊が、少しずつであるが輝きを増し、
素敵なハーモニーを作り出していく。
その過程では、男女の嫉妬や、DV(ドメスティク・バイオレンス)から、
今まで誰にも言わなかったような愛の告白まで、
一人ひとりが心を開くシーンが繰り返される。
どんな時も、誰かが「あ〜」と声を出すと、他の人がつられて声を出し、
自然に、そして気持ちよくハモっていく。
感動の場面は、精神薄弱の若者が発した「声(トーン)」を元に、
1人、2人と声を重ねていき、最後は会場全体にその音が広がる場面、
私は、その音を耳にした時、何とも言えない幸せな気分になれた。
彼がコーラス指導を始める時に、素人の彼女らに諭すように言い放った
「何よりも大切なことは、よく聴くことだ」が蘇った。
音楽って、コーラスって、本当に人の心を開くんだな、と実感した。
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