コースト・ガードのレビュー・感想・評価

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2.0難しい…

2022年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

キム・ギドク監督は、初めて観たのが「弓」(05)で、個人的には幸運だったなと思っています。以降、色々な作品を観てきましたが、ツボにはまるものとはまらないものとの差が大きく、今作は、残念ながら後者でした。ちなみに、キム・ギドク作品ということは忘れて観ていたのですが、私には深く共感するところがありませんでした(苦笑)。「嘆きのピエタ」(12)や「THE NET 網に囚われた男」(16)は本当に大好きな作品で、これからに期待していたのですが、まさかのコロナで永眠されてしまい、とても寂しい限りです。

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赤ヒゲ

4.5おかしいとは思ったが・・・

2011年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

韓国映画界の鬼才、キム・ギドク監督が、「ブラザーフッド」などで人気を獲得したチャン・ドンゴンを迎え挑んだ、戦争サスペンス映画。

男女の極限まで追い込まれた緊張状態をテーマに、スリリングなファンタジーを描き出す事を得意とするキム・ギドクが戦争に挑む。朝鮮半島の境界線上を舞台とすると聞いて、単純に戦争の無常さ、悲しさを表現するとは思えなかった。観賞してみたところ・・・やはり、一筋縄ではいかない曲者戦争作品に仕上がっていた。

朝鮮半島、韓国と北朝鮮の分断線において警備に当たる軍隊。その緊張とは対照的に、侵入者はなかなか現れず、兵隊達の鬱憤は最大限まで高まっていた。そんな中で起こる、一つの誤射事件をきっかけに、バランスを保っていた軍隊は静かに、確実に破滅に向かっていく。

とにかく、戦争映画と聞いて深刻な歴史絵巻を想像された方、まずはその先入観を捨てていただきたい。

血気盛んなチャン・ドンゴンのキレっぷりを筆頭に、人間の本性、欲望の爆発を、観客をいかに物語に集中させ、楽しませるかを第一に考え尽くされ、描かれる。常識外れの展開と、まさかのエンディングはもはや、戦争ドラマであることを忘れ、喜劇の域に達している。

男臭さは、桁違い。女性の繊細な駆け引き、情念を見事に引き剥がし、泥と汗が溢れ出す男の園が華麗に構成されている。チャン・ドンゴンの甘いサスペンスを観たい方には、自信を持って勧めない。

怒涛の喧嘩と、嘘くささ。これぞ韓国のガチンコ肉体映画。残念な事に、チャン・ドンゴンは汚れている。泥にまみれきっている。でも、格好良い。

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ダックス奮闘{ふんとう}