「雑な作りでも秀作」少年と犬(1975) shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
雑な作りでも秀作
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先ずは若きドン・ジョンソンが出演していることに注目した。私の世代では、やはり「マイアミ・バイス」「ホット・スポット」ミッキー・ロークとの共演の「ハーレーダビッドソン&マルボロマン」で一つの時代を走り去った俳優である。私は失礼な言い方だが、メインストリームから外れた俳優が大好きなのだ。失礼次いでに落ちた俳優とでも言える二流、三流の役者に哀愁を感じるのである。未だ駆け出しの美男子たる俳優は未来を夢見て、このカルトな映画の主役を演じているのだ。しかも、もう一つの主役が犬であるトンガッタ作品であるにもかかわらず。内容は後のフォロワーを作り出した近未来。「マッドマックス」の世界観の初出でもある。中盤辺りからの端折り過ぎとも思える作りに予算の関係が滲み出ているが、作品として粗っぽくまとめてしまった分、カルト化してしまったのかもしれない。トピーカに於けるメイクにヴィスコンティの「ベニスに死す」を思い出した。「耽溺」がキーワードになっているのかもしれない。エンディングは、一般的にはエグい上にカルト臭が漂っているのだが、私は妙な爽やかさを感じた。共演の犬が可愛かったせいかもしれないが…
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