ヒトラー 最期の12日間のレビュー・感想・評価
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動画でよくネタにされて笑って観てたけど、本物はシリアスだった
動画でよくネタにされて笑って観てたけど、本物はシリアスなシーンだった。
ヒトラー役は見た目も似てるし気迫も抜群。ブチギレる前の静けさと、ブチギレた時の爆発さが怖い。周りも「来るぞ...来るぞ...」とチラチラ目を合わせるのがリアル。ヒトラーの手がぶるぶるし始めると俺の心臓もぶるぶる。
言動ハチャメチャだけど、これでも死んでまでついてくる人が居るから驚きだ。こんなカリスマ性を身につけたい。少なくとも今の俺じゃ一緒に残ってくれる人なんて居ないだろう。
ウクライナを思い、かつての(もしくは現在の)日本を思う。主人公の秘...
ウクライナを思い、かつての(もしくは現在の)日本を思う。主人公の秘書は、(なかなか)覚醒できなかったすずさん、といった趣か。
独裁者の素顔
この戦争をこの角度から観たのは初めて。当然だが、どの国のどの立場の人も、決して好きで戦っているわけではないのが、実に切ない。
戦争の悲劇が女性や子供にもおよぶのは、もう言葉にならない。
戦争の無い世の中を切に願う。
ナチという悪魔も内部では優しい怖さ
ラストで、ヒットラーの秘書をしていた主人公が、自分からナチの世界に入って行った事に対して、
私は何も知らなかった、私は悪くないと
思っていた、、、。
若かったという事は言い訳にならない、目を見開いていれば気づけた。
との言葉がすべてを語っている。
キャストが多すぎ、
ドキュメンタリーとして観るべき、
ナチがした悪行が描かれていない、
色々不満ありも、見応えのある大作です
ヒットラーもそのもの。
画面も美しく、戦争描写もリアル。
ドイツとナチス、日本と大日本帝国。
圧巻の演技で見入ってしまった。冷静と激高が交互に出てくる演技、緊張感がものすごく、恐怖を感じた。
ストーリーは複雑な心境でした。ナチスに同情が出来ないと心の底では思うんだけど、この作品では優しさや人間味がある部分も丁寧に表現していて、正直、頭の整理がしきれなかった。
日本でも昔大日本帝国という時代があって、きっと同じ様な人間模様があると思いながら終始この映画を見ていました。
この映画を見て、ナチスに同情してしまう人がいたら完全なミスリードだと思い、なんとも後味が悪く見終わりました。
ロシアもこの大戦で2000万人が殺された。加害者はヒトラーばかりでは無い。ソ連赤軍やウクライナコサックも含まれている。
日本人が好む滅びの美学に見えてしまった。
詳細にナチスが消え行く姿を描くのは理解できるが、くどいような気がする。しかも、誰一人やってしまった事に、反省の態度を示す者がいない。この主人公の女性(本人)が最後に登場して『知らなかった』と語るが、レニ・リーフェンシュタールの晩年と似たような語り口と思った。600万人のユダヤ人を虐殺した行為をヒトラー個人の狂気として、解釈しては駄目だと思う。ヒトラーは少なくとも最初から狂人であった訳ではない。なぜなら、ドイツ国民に指示されてきたのだから(その点はこの映画で語っている)。しかし、だからこそ、その点を含めて、ヒトラーが行なった愚行を、分析しなければいけないと思う。
この映画は現在のドイツ人に対する忖度が強いと思うが、同時に逃げ延びる事を優しく受け入れている。僕はその点を評価したい。
白旗上げて、サッサか逃げるのが正解である。どの戦争でも『投降をゆるさない』として、味方に粛清や虐殺や玉砕を強いられる悲劇が多いと理解すべきだ。ロシアの戦勝記念日の前日と思いこの映画を見た。ロシアもこの大戦で2000万人が殺された。加害者はヒトラーばかりでは無い。ソ連赤軍やウクライナコサックも含まれている。勿論、スターリンやボルシェビキも。
ヒトラーが目指した世界とは
総統秘書トラウドゥル・ユンゲの視点(証言と回想録による)からの描写が興味深い。
道連れとなる幼い子供達の姿が切なかった。
ヒトラーの地下要塞での暮らしぶりや言動に、彼が他者を惹きつけ、総統として君臨し得た理由が見出せず、改めて統制といものの怖さを思った。
-ベルリンで成果を得る、さもなくば死を
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
日独で敗戦決定直前を描く2作品で両者の違いが色濃く表れている
「日本のいちばん長い日」と続けて鑑賞。日独で敗戦決定直前を描く2作品で両者の違いが色濃く出てるのが面白い。
ヒトラーの場合はやはり独裁者ヒトラーへの崇拝に近い忠誠心と、それゆえに明らかな負け戦な状況でも誰も何も言い出せないという状況が印象的。ヒムラーとか最後に命令無視したゲッペルスとか何名か裏切る人は出るものの、一方でベルリンが陥落寸前なのにいまだに赤狩り続けてるSSとか一周回ってギャグかってくらいのガチガチのピラミッド制。これが「日本のいちばん長い日」だと内閣の誰も決めきれない、文言がどうこうで延々議論してる、天皇にご聖断を仰いでようやく決めるが若手将校が公然と反旗を翻すし周りも明確に止めないというグダグダな組織で正反対。
崇拝に近い忠誠で構成されているからこそ、取り乱し陸軍を罵ったり、どうみても負け戦なのに反攻に固執するヒトラーの姿がひたひたと近づいてくる敗戦の悲哀を高めている。表向きな遺言では国民のためといいつつ、裏では国民の命なんかどうでもいいような発言をしたり、最後の最後に結婚式を挙げたりと案外フツーの人間として描かれていたのは、やたらと最恐最悪の悪魔のように描かれがちなヒトラーとはまた違ってて、その描き方の政治的な良し悪しは別として、こういう形でのヒトラー映画というのもアリだなあと思った。
周辺の人物では特にゲッペルスが印象に残る。宣伝戦でナチスを支えた人物として遺言書もやたら細かいし、どうみても窮地なのに言葉を弄してヒトラーを援護したりと、陰キャっぽい役者さんの顔もあわせてヤな感じの人物(笑)。一方でそんなゲッペルスも家族がいて子供たちを毒殺したりと…ヤなヤツもヤなヤツなりに悲劇的な死に方をしていく…。印象的な人物といえばヒトラーの愛人・奥さんのエヴァも。暗い塹壕生活を元気にするためかパーティ開いたりなんたりするけどどことなく空回りしてる感じ、こんな戦況にあってもヒトラーとの二人の関係という小さい世界にしか興味ないしそれを守ろうともがいてる感じが悲壮感を出している。
それ以外の人物はこれは映画の問題ではなく自分の問題なのだけど、ナチスドイツの人物をあんまり知らないので途中から誰が誰やら、だんだん全員同じ顔に見えてきて…(笑)。もうちょっと歴史の勉強が必要だなと感じた。ヒムラーとかはSSのトップで反ユダヤ主義の中心人物なのでむごたらしく死ぬかと思ったらほとんど出てこず(まあ史実どおりベルリンにいないからしょうがないけど)。
ヒトラーの最後にだけスポットがあたっていて戦争責任とかにはちょっこっとしか触れてないのはドイツ的にいいんだろうかとか思うとこはあるので少し星を減らして。あと全然関係ないけどこれ見た後に総統閣下の嘘字幕シリーズみると本編との温度差とそら耳に爆笑できるのでぜひ見てほしい(笑)
「若くて愚かだった自分に腹が立ちます。恐ろしい怪物の正体に気づけな...
「若くて愚かだった自分に腹が立ちます。恐ろしい怪物の正体に気づけなかったから」と回想録のようにして映画が始まる。1942年、個人秘書の面接でミュンヘン出身とだったいう事が目に留まりトラウドゥル・ユンゲ22歳がヒトラーに採用される。1945年4月20日ヒトラー56歳の誕生日、ベルリンに激しい砲撃。
敗戦ムード濃厚で、焦るヒトラーは部下を罵りどんどんおかしくなっていく。
ユンゲ視線ではなく、ベルリンの地下基地を中心に戦場を描き出した感じの映画。
総統に忠誠を誓っているとはいえ死が迫ってくると側近たちにもそれぞれの人間性を表してくる。
インフラ破壊しろとか言い出すネロ司令の場面もある。
細かいとこは違うものの死に方なども史実に基づいてる。
自殺後はすぐガソリンかけて死体を焼く。晒し者にされないように。ずっと悲惨なシーンしかない。終戦後、ユンゲは民間で秘書を続けて2002年に死去。
「若かったというのは言い訳にならない目を見開いていれば気づけたのだと」とユンゲ本人のインタビュー映像で映画が終わる。
トランプ騒動のニュースを見ていると、この映画を思い出します。
第二次世界大戦のドイツ降伏迄の12日間を、ヒトラーを中心に描く群像劇。
日本で言えば「日本のいちばん長い日」になるのでしょうか?
私は、歴史知識を得る為に鑑賞しましたが、その期待に違わない多くのことを考えさせられた映画です。
既に正気を失い癇癪を爆発させるヒトラー。
正気を失っているヒトラーに気付きながら、『忠誠』の言葉に縛られる高官たち。
国民の命を無視するヒトラーや高官たちを横目に見ながら、それでも信じることを止められない秘書。
前線に出た事もないのに勇ましく闘うことを選択し、死んでいく少年少女。
目の前にある「敗戦」に動揺するドイツの様子が良く描かれています。
本来なら、栄枯盛衰の無常を感じる映画なのでしょうが、彼等に1mmも共感出来ないのが残念なところ。描かれている人たちは、総じて親衛隊として数多くの人を殺してきた人たち。
知的で冷静な将校として描かれたシェンク大佐にせよ、wikiで調べると「強制労働によりで100名を死に至らしめた」と書かれているのですから・・・共感しようがありません。
この映画の唯一共感出来る登場人物は、ゲッベルスの6人の子供たち。
無邪気に健気に笑い、歌い、そして両親が尊敬するヒトラーを愛します。彼女達は、モルヒネで眠らされた後に青酸カリにより殺されます。
(長女のヘルガのみ、両親を疑いモルヒネをしっかりと含まなかった為か、青酸カリを飲む事に抵抗したと言われています。ソ連軍の検視だと、顔にあざがあり、顎が破壊されている程だった)
あまりの無残さに、心が痛くなります。
また「ナチス体制以外で育てられない」という母親の言葉が、常軌を逸していて空恐ろしくなります。政治の話ではなく、文化でもなく、宗教染みた話。
最期に印象に残った二つの言葉。
ゲッベルス:『ベルリン市民彼等が選んだ運命だ。驚く者もいようが我々は国民に強制はしていない。彼等が我々に委ねたのだ。自業自得さ。』
(ソ連軍に無残に殺されている市民義勇兵を撤退させるべき、と言う提言に対して)
ユンゲ(ヒトラー秘書):『目を開いていれば気付けたのだと。』
(エピローグ。ナチスドイツの蛮行に気づかずに、忠誠を誓ってしまったことに対して)
近代史は、同じ間違いを繰り返さない為に学ぶのだと思っています。今の日本、今の世界はどうなのかと・・・考えさせられた映画でした。
ヒトラーを育み綺麗に死なせる土壌とは?
ヒトラーとその取り巻きの最後の姿を、原作および史実にできるだけ忠実に、冷静に、描こうとする姿勢には好印象は持った。
ただ、実際に最後はこうであったろうが、何故多くの人間がただの狂人に見えるヒトラーに忠誠心を持ち、一緒に自死を選んだり遺体を綺麗に燃やしたりするのか、すぐには腑に落ちなかった。また、知らなかったが、ゲッベルス夫妻は6人の子供たちをも何故か道連れに自殺し、少なからずカルチャーショックも覚えた。。
ドイツ人は厳格なイメージあったが、総統地下壕の中には女性も沢山おり、ヤケクソの様な乱痴気パーティーや酒盛りを行っていたのは意外であった。また、壊れかけてきてるヒトラーと何故一緒に死にたがっているのか良くわからないところも有るが、ヒトラーの妻になるエバ・ブラウンが、吹っ切れた様な明るさに満ち、とても魅力的には思えた。女優さんの名演技ということか。
見終わって少し経ってからであるが、ドイツ人と日本人の感性が実はとても似通っているのではないかと思い始めた。ヒトラーがどれだけ現実離れしようと、彼がエンペラー、天皇的な存在と考えれば、忠誠心や後追い自死も、当然ということになろうか。何のことはない、天皇陛下万歳と死んでいく日本兵の精神と同じ感性かもしれない。
現在のドイツ人は異なるかもしれないが、映画の中のナチス将校の様に、市民にとって良い悪いではなく、お上の意向を第一に行動する日本人社会には、独裁者を育む土壌が以前として綿々と存在するのかもしれない。
こうも簡単に人の命が無くなるのか
作中で印象的だったのは、軍人に君も着いてこいと声をかけると『いや、僕は行かない』と言った瞬間口に銃口を咥えて発砲したシーン。あの時誰も驚かなくなっていて、こんなに悲惨な状況なのに何も感じない戦争は恐ろしすぎる…
また、子供たち全員を眠らせてる間薬で淡々と殺すシーン、悪い環境での治療、さっきまで生きてたはずの者がいつの間にか死んでいる、何のために戦争をしているのか…
ヒトラーとかいうしょうもない人間の意地でしかない
ただの意地っ張りを信念などという綺麗な言葉にするな。戦争は狂気の沙汰でしかない。巻き込まれただけの市民が死んでいくのは辛いし、勲章とかちっとも誇らしくない。
淡々と描かれているので一人一人の詳しい描写が無い事がやっぱり戦争中の命の軽さを表してる
ヒトラー夫妻のためにガソリンを危ない中忙しい中持ってこさせる傲慢っぷりは見てて腹が立つ。
ヒトラー56歳。独裁者の最期
ブルーノ・ガンツがそっくりであることにまず驚く。いや、イメージのヒトラーに、似ているのだと思う。作品は、この55歳のヒトラーが56歳の誕生日を迎え、そして自殺をする数日間を追う。ナチスドイツについては、よく分からなかったが、この作品によってすこし理解が進むような気がする。脚色はもちろんあるだろうけれど、とてもよくできた映画。この独裁者のわずか最後の最後の二週間を追うわけだが、長く、暗い。それは、彼らが追い詰められているからだ。しかし、作品としては、素晴らしい出来だと思う。
包囲されたベルリン
ヒトラーの側近達の詳細を知らなかったので、調べながら二度鑑賞しました。登場人物の外見は勿論、ヒトラーへの心酔度、人間関係など、かなり力を入れて再現しているように思いました。
「帰ってきたヒトラー」でも触れていましたが、「(我々を選んだ)国民の自業自得だ」という台詞は、今の日本にとっても耳が痛い言葉です。でも民衆あっての国家です。国民に思いを馳せられない政治家には、指導者の資格がないのだとつくづく感じました。
ヒトラーの人物像は、総統としては冷酷で聞く耳を持たず、手の付けられない恐喝屋ですが、男性としてはドイツ人女性や子供に対して、また忠実な/お気に入りの部下に対しては、穏やかで優しい一面も描かれています。彼の与える権力や栄誉に惹かれた者がいる一方で、彼(の行ってきた力強いパフォーマンス)に純粋な信頼を寄せていた人達もいたのだと思います。最期は自害することで、無責任にも真っ先に自分の保身に走った情けない奴なのに、死してもなお総統や帝国に忠義を尽くそうとする人々、同調しない民間人を処罰していた人々を見ると、当時の日本に共鳴するものが確かにあったのだと思います。
「ひ弱な」国民を捨てて空っぽの国家の土地と国境を広げ、そこに理想郷を建てたかったヒトラー。
人は何を信じるかで、人生も世の中も大きく変わる、だからしかと眼を見開いていなければならない、という教訓を訴えている作品だと思いました。
戦争は良くない
プライベートライアンやフューリー、父親たちの星条旗など、アメリカ制作の戦争映画はいくつか鑑賞しましたが、ドイツ側から見る戦争映画は初めて見ました。
さらにこの映画は題名の通り冒頭からドイツ側の降伏間近のところから始まります。
見ていてとても苦しいものがありました。ヒトラーという独裁者の存在がいかに大きなものであったか。
ヒトラー=正義、救世主みたいのが植え付けられていたんでしょうね。なんかもしかしたら、今まで自分が正しいことだと思っていたことが実は悪だったということがありそうで怖いです。
ブルーノガンツという役者さんは初めて見ましたが、かなり研究していてすごい本人に似ていてこの役をやる上でどれだけ苦労したか、、
ヒトラーは歴史上でも名高い独裁者だし、、ジョーカーを演じるようなものじゃないかと、、
ドイツではどう評価されてるかわかりませんが、アメリカ戦争映画でよく見るアメリカ正義!!どかんどかん!!みたいのが安く感じます…
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