「蘇った女戦士はトンデモでした…」エレクトラ(2005) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
蘇った女戦士はトンデモでした…
『デアデビル』に登場したヒロインで女性ヒーロー“エレクトラ”を主役にしたスピンオフ。
ジェニファー・ガーナーが続投。
という事は誕生秘話ではなく、その後。
あれ、ブルズアイに殺されなかったっけ…?
とにかく本作、設定やら話やら何もかも、トンデモ作なのである。
謎の老師によって死から蘇生。(…!)
老師の下で修行し、女暗殺者となる。
ある時出会った父娘。次のターゲットであった。
闇の組織“ザ・ハンド”が父娘を執拗に狙い、守る事に…。
『デアデビル』のその後の設定なのに、皆無と言っていいくらい関わりナシ。見てなくても見れる方針だったんだろうが、リンクネタを期待してた者としては…。
愛し合ったマットへの描写もナシ。触れられたくない過去の男…?
エレクトラは生身の人間で、マーシャルアーツに長けているというキャラ設定。なのに(文字通り)生き返ったら常人離れの身体能力。
まあ、ジェニファー・ガーナーが長い髪をなびかせ、露出の多いコスチュームで華麗なアクションを見るにはいいんだけど。
しかし、話は酷いもんである。
ターゲットの父娘を守る事になるのだが、映画的にはその方が盛り上がるだろうが、暗殺者としては失格である。
敵も何だかお間抜けだから釣り合うんだろうけど…。
一応『デアデビル』って地に足付いたアクション。そこまでSFやファンタジー色は強くない。
なのにこちらでは、思いっきりファンタジー・アクション。奇妙な術を使ったり、キスで相手の生気を吸い取ったり、身体の動物タトゥーを実体化させたりと、まるで『X-MEN』の世界。
強いんだか、弱いんだか…。ボブ・サップなんて瞬殺! 身体が岩のように頑丈って設定なのに大木に押し潰されただけで…。
エレクトラの蘇生や術などなどなどなど、日本テイスト。珍妙な日本語と描写のハリウッドお馴染みトンデモジャパン!
本作やこの前年の『キャットウーマン』も大コケし、『ワンダーウーマン』が大ヒットするまで業界が女性ヒーローものを敬遠するようになったのもこの出来じゃ分からんでもないな…。
本当にこんなんで大ヒットすると思ったの??
『デアデビル』共々アメコミヒーロー映画の黒歴史になりつつあり…。
と思っていたら、『デッドプール3』にまさかの登場!
緑コスチュームのヒーローもネタにしたりと、俺ちゃんヒーローって失敗したヒーローたちの救世主…?