劇場公開日 2005年5月28日

「「永遠の弟」と評されるウォンビンだけど、「弟にしたい俳優」NO.1には選ばれないような気がする」マイ・ブラザー(2003) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「永遠の弟」と評されるウォンビンだけど、「弟にしたい俳優」NO.1には選ばれないような気がする

2020年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 兄弟愛だけの映画ではなかった。兄ソンヒョンは生まれながらにして口蓋裂の障害を持っていて、周りからも冷ややかな目で見られ、父親は赤ん坊を捨ててしまう。母親はその子を拾ってきて当時身ごもっていた弟も無事生まれ、2人の息子を女手ひとつで育てあげるのです。母は生活のため高利貸しとなるのですが、支払いが滞るドゥシク食堂の息子が知的障害児。障害や職業の差別という扱いにくい問題もさらりと見せてくれます。兄ばかりに母の愛情が注がれてると信じていた弟が反抗的になり、申し訳なく感ずる兄が弟へ精一杯愛情を注ぐという、ありがちな兄弟の確執ですが、見事な演技によって感動を与えてくれました。

 弟の度々起こす暴力事件などで、引いてしまうところもあるのですが、暴力を肯定的にとらえることなく、家族の愛を表現しています。そして因果応報。家族の運命はことごとく関わりのある人たちによって変えられてしまう・・・

 高校時代に決闘した相手が。付き合っていた彼女の兄が。幼い頃借金取り立てに行っていた家が。それぞれ終盤に絡んでくる。そして、バーバリーの上着が最重要伏線となって、涙せずにはいられないクライマックスとなります。

 女の子ミリョンが単なるエピソードでしかなかったことや、カメラの伏線が弱かったことなどのマイナスポイントさえなければ最高だったかも。

【2005年5月映画館にて】

kossy