コーヒー&シガレッツのレビュー・感想・評価
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アイホップに乾杯!
シチュエーションと会話劇の面白さ!
これに尽きる。
モノクロでご機嫌なBGが流れるアバンからしてもう最高!
パルプフィクションもドン引きするくらいくっだらない会話劇。
でもこれが心地いい。
そこに唐突に現れるブシェミ。
最高!
コーヒーに砂糖ぶっかけてフォークで混ぜて
…って、あーもうめちゃくちゃだよ!!
と思ったらケイト・ブランシェットの一人二役会話劇なんていう、超絶豪華な共演までぶっこんでくる
と思ったら今度はビル・マーレイ?
しかも本人役⁈
どこまでも侮れない
とはいえベースはダウナーな会話劇
心の中でツッコミ入れながら見るのも
何も考えずただ流すのも
どんな楽しみ方をしたって良い
これで良い
これが最高
因みに自分は"お芝居"と"フード描写"に注目して楽しみました
定点カメラで長回しなのもライブ感があってたまらなく好み
オムニバスだからショートショートを連続再生してるみたいで飽きない
なんならストーリーなんて分からなくても楽しい
ストーリーがないからこそ…
人の一つ一つの挙動に目がいく
それがフェティッシュで面白い
食器が鳴らす音
店内BGM
そして何でもない会話に注目できる
映画というよりか人間観察そのものと言っても良い
人を物凄く選ぶが、私はツボにハマってしまった
オススメ
何回もチャレンジした作品
煙草の匂いと既視感に包まれる
禁煙してから約10年。もっと前に この映画を観ていたら、また煙草を吸ってしまっていただろうな。仕事の時は缶コーヒーと煙草の組み合わせだったから、もしそんな話があったら、即喫煙してしまったかもしれない。
即興劇の様な居心地の悪さと可笑しさが混在した話が積み重なっていく。どこかでこんな経験したよな、と自分の記憶をたどる。途中からいつ終わるのかと感じてくるけど、前半の話に出てきた言葉が、後半の話で再び出てくることで新鮮味が戻って来るから不思議。
個人的にはビル・マーレイとGZA、RZAの「幻覚」がお気に入り。どの話も面白いのだが、登場する役者さんのことをよく知っていたらもっと楽しめたかなと、少し悔しく思った。
古い映画のリバイバル上映だけどおすすめ
今年167本目(合計1,259本目/今月(2024年5月度)1本目)。
(前の作品 「辰巳」→この作品「コーヒー・シガレッツ」→次の作品「」)
古い映画ですが、いわゆるリバイバル上映をしていたので見てきました。
映画自体は、コーヒー、あるいはたばこに関係する10~12程度のミニ小話といったところで、個々につながりはありません(共通人物もいないはず)。ただ、個々の発言が次の小話に微妙に影響を与えていたり、内容を示唆していたりと、個々面白い工夫がありますね。
モノクロ映画で、2005年ということなので意図的な表現なのだろうと思いますが、この映画は個々の小話(10~12分くらい)を楽しむものなので、カラーかモノクロかはあまり大きな問題ではないかなといったところです。
個人的には「問題はない」(問題なし、だっけ?)、ついで「カリフォルニアのどこか」が良かったかなといったところですが、上述通り、そのあげた小話や一つ前や一つ次の作品で当該作品に触れていたりといった部分があるので、ここの「良かったかな」も参考といったところです。
映画の構成の仕方としてはレアな構成になると思いますが、古い時代の作品を見てよかったなといったところです。採点上気になる点までないのでフルスコアです。
この映画のどこが好きなのか、20年越しで分かった気がしました
どのエピソードも後に残る人物が、ふと素の表情を見せるところがオチとして効いています。
そして、教訓めいたものは全くないのですが、一様に感じることがありました。
それは「人と気まずくても、噛み合わなくても、別にいいじゃん」ということ。
誰かのご機嫌をとったり、なんだかんだ気を遣わなくても…いや、気を遣ってトンチンカンなことになっても、べつにそれでいいじゃないか…そんな気持ちになるのです。
ジム・ジャームッシュ作品には、いつもそのような世界が繰り広げられていて、どことなくピントのズレた会話に安心感がもらえます。
そこが好きなところなのかな、と今回気づきました。
映画の中ではコーヒーがどうもまずそうに見えて仕方ないのですが、泥水みたいなコーヒーでも飲みたくなるので、鑑賞前にご用意を忘れずに…。
日常と非日常とコーヒーとシガレッツと。
~さよなら興行~「テアトル梅田を彩った映画たち」にてリバイバル上映。
これぞTHE・ミニシアター!!10年以上かけて撮り貯められた11本から成るオムニバス作品。チェス盤に見立てたテーブルを挟んで繰り広げられる普通の人やちょっと変わった人達の会話劇。コーヒーを飲みながらタバコを吹かすその行間に感じる様々な人間模様。小技の連続でお洒落過ぎました。
いとこ同士パート2は声出して笑ったし、実はキャスティングも豪華でジャンキーなケイト・ブランシェットはかわいいし、ビル・マーレーも最高でした。他愛もないことこそ人生だ。みたいな最後のストーリーも味わい深かったです。
~ここから脱線します~
大阪のミニシアター文化を牽引してきたテアトル梅田が閉館となりました。発表があった日は部屋に引きこもるくらいショックで残念な出来事でした。それに伴って厳選された23作品をリバイバル上映することが決まってこちらはその内の1本です。チケット争奪戦と共に最終日まで9月の後半はテアトル梅田通いの日々となりました。
眠くなった
上級者向け
僕の愛読書はデズモンド・モリスの「マンウォッチング」。
この映画は、
“カフェでたまたま目にした市井の人たち”をオムニバスシチュエーションで撮りためた(というような設定の)ジャームッシュの映像コレクションです。
・人間たちのコミュニケーションのカタログとして、
また
・俳優たちの動画名鑑として。
気まぐれなオムニバス様でありながら、10年かけて撮った11のエピソード。一見バラバラであるように見えて共通の台詞が用いられる場面もあり、そして「どれもチェス盤をはさんでのやり取り」という設定。
チェス盤のないケイトの幕でもちゃんと彼女のマグカップはチェック模様でしたよね!
⇒人間関係って“ゲーム”なのだと、監督はじっとその様子を観察しているのですね。まさに手練れの業。
最終話「シャンパン」のビル・ライスとテーラー・ミード編が僕の好みとしては一番。
向かい合う人間の仕草は、よく観察するとちぐはぐで噛み合わないから実に面白い。
だから
オチのないコントを見るのは楽しい。
オチのないコントで置いていかれるのはもっと楽しい。
マンウォッチングが大好物な自分としては、11話のどのエピソードも そしてどの人間関係も 観察ネタとしては興味津々のショートショートですね。
突っ込んでもいいし、聞こえないふりをしてかわすのも結構。
他愛のない会話にこそ愛嬌があるというものです。
時々ふと思うのですよ、
「知り合うことはなかったとしても、毎日すれ違う赤の他人にもそれぞれ別の家や生活が。そして人生の誕生と経過と終わりがみんなには有るんだってこと」
― こんなに不思議なことってないじゃないですか。
映画を作ったジム・ジャームッシュの人となりも見えてくる怪作です。
コーヒー
【クスリと笑える、珈琲と煙草を介したオカシナ会話劇が沢山詰まっている短編集。”ゆるーい笑い”が好きな私には堪らない作品である。】
ー 久方ぶりに鑑賞したが、ジム・ジャームッシュの見る側から”緩い笑い”を引き出すセンスには脱帽である。
ニコラ・テスラやヴィヴィアン・ウェストウッドの名前をさり気なく盛り込んだオカシナ会話劇の数々を堪能した。ー
◆感想
・今作は、11の短編から構成されている。
全く個人的嗜好だが、特に好きな短編は
・”ルネ”
一人くつろぎながら珈琲を飲む美女の元に、矢鱈と珈琲を注ぎに来る男と美女との遣り取りが絶妙にオカシイ。
・”いとこ同士”
大スター、ケイト・ブランシェットと、やさぐれ感半端ない従妹(ケイト・ブランシェット:二役)との、やや噛み合わない会話。
”化粧品とか、車とか貰ってんでしょ?””化粧品はあるけど、車はないわ・・。”
大スター、ケイト・ブランシェットの居心地の悪そうな表情と正反対の役を演じる彼女の姿が、オカシイ。
・観る度にクスクス笑う、私にとっては鉄板の作品は、
”カリフォルニアのどこかで”
イギー・ポップとトム・ウェイツのロックンローラー同士の禁煙についての、どうでも良い話のあと、
イギーがどや顔で、
”この店のジュークボックスにお前の曲は入ってないぜ”
と言って店を先に出た後に、トム・ウェイツがこっそりジューク・ボックスを見に行って、
”奴のもないや・・”とボソリと呟く・・。
あー、オカシイ。
<舞台を固定して、最小限の会話だけで面白き作品を作るには優れた脚本が必要である事は、万民が知る事である。
今作はジム・ジャームッシュの”ゆるーい笑い”を引き出す絶妙な脚本と、本名で登場する俳優達の笑顔を殆ど見せない演技(これが、オカシイ)を楽しむ作品なのである。>
たまにツボる会話劇場。
ジュークボックスにトム・ウェイツはあっても良いと思うけど。ダメかw
ジム・ジャームッシュ レトロスペクティブ2021の鑑賞2作目。
2〜3人の演者によるテーブル会話のショートショート11編。
オチのスッキリしないショートコントを見てる気分の冒頭。コレが段々とクセになって行きます。中毒性有りです。最後は、「もう終わりなん?」って言いそうになります。11編もあったなんて。
ジュークボックスにトム・ウェイツが無ければ、イギー・ポップも無いでしょうよ。実験機のテスラコイルの可愛らしさ。カッコ良いトコロを見せるどころか、返り討ち的にプライドズタズタにされた大学生。設定も行動も意味不明なスター・コメディアン。
なんでもない会話に滲む人間性やら、その人の性みたいなことに、地味にツボる。シュールな一本目から、リアルに変化して時々コント。笑いどころを探してニヤけてれば良い、脱力感が好き。
予測ほど、ツマラナク無かった。
むしろ、ツボにハマった。
2005年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️✨
『JIM JARMUSCH Retrospective 2021』にて鑑賞(初見)。
この作品は、過去に撮った短編とか新作の短編とかをまとめたそうな…中にはSNL(Saturday Night Live)のための映像もあるそうです…。なるほど、そんな"ノリ"でした(笑)
しかし、そんな事は知らなくても、何ともシニカルなこの11篇の小品に心を奪われます。
こんな素敵な作品、今まで観てなかったなんて!!(笑)
映画館で観られて、しあわせ!
また行こ…笑
*バックに流れるBGMも素敵でした…おっ!Funkadelicやん!笑
"Louie,Louie"
≪JIMJARMUSCHRetrospective2021≫
オープニングに流れるリチャード・ベリーの元祖「Louie,Louie」からエンディングはイギー・ポップがPunkにカバー、個人的に一番馴染みがあるのは"TheKingsmen"であるド定番!?
初公開時に劇場で観た二十代、サントラは既に廃盤であの頃より知識のある自分の成長を噛み締めながら久々に観た本作を"Skatalites"の「NimblefootSka」で身体を揺らしながらジャームッシュのセンスに浸る十一話の短編集。
イギー・ポップとトム・ウェイツ、二人はどうやらミュージシャンで本人役かと思いきや何かズレている、医者を兼業するトム・ウェイツからのRZA、そんなRZAのニット帽は「ゴースト・ドッグ」のロゴマークで"それは命取り"から「ゴースト・ドッグ」の劇中での休憩場面を描いているような冗談みたいな話。
サンキ・リーが吸う煙草がセブンスター、丁度「ミステリー・トレイン」の合間、永瀬のワンカートンに片仮名でセブンスターって変な繋がり??
コーヒーを飲んでタバコを吸い誰かと語り合う至福の時、それが出来ないクソッタレな東京だが、映画は思う存分に観れる東京な訳で、、、、。
初公開時、旧チネ・ラヴィータで初鑑賞。
JIM JARMUSCH Retrospective 2021 ど...
【噛み合わない日常】
この11の短いストーリーのオムニバスは、僕達の噛み合わない日常そのものだ。
でも、たとえ噛み合わなくても、愛おしい日常だ。
会話が面倒だったり、話題の方向性が違ったり、集中したいことがあるのに気がそがれたり。
うわべだけ何とか取り繕って、やり過ごしたいこともあるし、必要以上に深入りしないで済ませたいことだってある。
うるさいと感じることもあれば、どうでも良いこともけっこう多い。
だから、とにかく、大過なく過ごせれば御の字なのだ。
そして、そんな時、コーヒーとタバコは、少しだけ潤滑油になるから、なんか良いのだ。
僕達の日常の大半は噛み合わないことだらけだ。
食事やお酒は、結構、仲の良い友人や同僚向けだ。
だから、コーヒーとタバコが良いのだ。
ところで、アメリカのコーヒーは、大概、実に不味い。
今は、スタバの登場でかなり変わったと思うけど、昔は、本当に不味かった。
「コーヒー&シガレッツ」を久々に観て思い出した。
理由は、あの米国的合理性で考え抜かれたコーヒー・メーカーで、予め淹れたコーヒーを、サーバーで保温して、そのままにしておくからだ。
このスタイルの日本の昔ながらな喫茶店のコーヒーも実に不味かった。
昔、付き合ってた彼女と旅行に行った地方の喫茶店に入って、彼女がコーヒーを注文して、僕がココアを頼んだら、僕に向かって”女の子みたいね”と言う彼女に、そのコーヒーはきっと不味いよと言ったら、少しだけ飲んで、すごく不機嫌になっていたことを思い出す。
ファミレスに夜中に行って、長居してると、おかわりのコーヒーも実に不味かった。
最近は、アメリカもスタバが多くなって、外で飲むコーヒーは改善してると思うけど、多分…というか…絶対、アメリカの家庭のコーヒーは不味いまま…だと思う。
なぜなら、あの米国的合理性で考え抜かれたコーヒー・メーカーが主流に違いないからだ。
本当に美味しいコーヒーは、アラビカ種で、可能であれば、評価の高い産地ので、酸味が効いてフルーティな香りが口の中に広がる豆を、挽きたて、中温のお湯で淹れたのが良いと思う。
ああ、あの不味そうなコーヒーは飲みたくないなと思う自分がいる一方、そんなことをいう自分に、ちょっとだけ寂しい気にもなる。
そんな風に思わせてくれる、ジム・ジャームッシュは、やっぱり、なんか良い。
カッコいいけど・・
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