「【噛み合わない日常】」コーヒー&シガレッツ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【噛み合わない日常】
この11の短いストーリーのオムニバスは、僕達の噛み合わない日常そのものだ。
でも、たとえ噛み合わなくても、愛おしい日常だ。
会話が面倒だったり、話題の方向性が違ったり、集中したいことがあるのに気がそがれたり。
うわべだけ何とか取り繕って、やり過ごしたいこともあるし、必要以上に深入りしないで済ませたいことだってある。
うるさいと感じることもあれば、どうでも良いこともけっこう多い。
だから、とにかく、大過なく過ごせれば御の字なのだ。
そして、そんな時、コーヒーとタバコは、少しだけ潤滑油になるから、なんか良いのだ。
僕達の日常の大半は噛み合わないことだらけだ。
食事やお酒は、結構、仲の良い友人や同僚向けだ。
だから、コーヒーとタバコが良いのだ。
ところで、アメリカのコーヒーは、大概、実に不味い。
今は、スタバの登場でかなり変わったと思うけど、昔は、本当に不味かった。
「コーヒー&シガレッツ」を久々に観て思い出した。
理由は、あの米国的合理性で考え抜かれたコーヒー・メーカーで、予め淹れたコーヒーを、サーバーで保温して、そのままにしておくからだ。
このスタイルの日本の昔ながらな喫茶店のコーヒーも実に不味かった。
昔、付き合ってた彼女と旅行に行った地方の喫茶店に入って、彼女がコーヒーを注文して、僕がココアを頼んだら、僕に向かって”女の子みたいね”と言う彼女に、そのコーヒーはきっと不味いよと言ったら、少しだけ飲んで、すごく不機嫌になっていたことを思い出す。
ファミレスに夜中に行って、長居してると、おかわりのコーヒーも実に不味かった。
最近は、アメリカもスタバが多くなって、外で飲むコーヒーは改善してると思うけど、多分…というか…絶対、アメリカの家庭のコーヒーは不味いまま…だと思う。
なぜなら、あの米国的合理性で考え抜かれたコーヒー・メーカーが主流に違いないからだ。
本当に美味しいコーヒーは、アラビカ種で、可能であれば、評価の高い産地ので、酸味が効いてフルーティな香りが口の中に広がる豆を、挽きたて、中温のお湯で淹れたのが良いと思う。
ああ、あの不味そうなコーヒーは飲みたくないなと思う自分がいる一方、そんなことをいう自分に、ちょっとだけ寂しい気にもなる。
そんな風に思わせてくれる、ジム・ジャームッシュは、やっぱり、なんか良い。
こんにちはー
このレビュー欄もカフェでのゆるいおしゃべりになっていてナイス。
昼下りにコーヒー談義ですね。
僕も大きなコーヒーサーバで沸かし返された半日前のMJBに辟易した口です。
高校時代にマックでバイトをしていました、あの作り置きのコーヒーはタイマーが鳴ると30分で廃棄というマニュアルでしたが、バイト上がりの僕たちは客席でダベリながら伺っていて「新しく淹れ直した新鮮なやつ」が出来たところでやおら立ってカウンターに向かっていたのは内緒です。