「モノクロ映画ならでは」コーヒー&シガレッツ ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)
モノクロ映画ならでは
映画「パターソン」を見たいと思っていたが、その前にジム・ジャームッシュ監督の他の作品を見ておこうということで、本作を鑑賞。個人的には割と好きな映画であった。
全編モノクロ、10個前後のショートストーリーからなるオムニバス映画であり、各ストーリーでキャラクターがコーヒーを飲み、タバコを吸っている。有名なミュージシャンや俳優などが出演しており、彼らが本人役で演じている。
まず、本作は登場人物がコーヒーを飲み、タバコを吸いながら、とりとめもない会話をしている"だけ"の映画である。(Wikipedia引用)
そんな映画なのに本作を楽しめるのは映画のコンセプトがしっかりしているからである。全編モノクロであることにより、オムニバス映画なのに全体に統一感があり、各々の会話に焦点を当てている。
なんかちょっと変なやつもいるんだけど、他愛もない話がとても人間的でクスッと笑えるシーンが多いのも魅力の一つ。俳優の名前や職が登場人物にそのまま反映されているのも面白くて、本当にその俳優がプライベートで会話しているのを見ているかのように感じて笑える。特にホワイト・ストライプスの二人が音楽の話と全く関係ない話をしているのは面白かった。イギー・ポップとトム・ウェイツの話も面白い。
各ストーリーはコーヒーとタバコだけで繋がりがあるように思えるが、最後の方のストーリーになってくると前のストーリーの会話と少し繋がってくる。
お店で流れている曲など音楽もかなり良かった。
自分も出演者は全員知ってるわけではなかったが、多少知ってないと面白みは半減するかもしれない。シンプルだけどユーモラスな映画を見たいという方にはオススメ。
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