劇場公開日 2005年2月5日

「国の諍いに翻弄された人の郷愁」タッチ・オブ・スパイス Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0国の諍いに翻弄された人の郷愁

2013年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 70

 最初は主人公の料理と祖父の話が中心になっていくのか、普通の話かなと思いきや、それらの話はほんの一部に止まりそれだけではないことがわかった。トルコとギリシャ間の複雑な政治情勢を踏まえて、それに翻弄された男の郷愁の想いを伝えてくる。振り返らない女と、満面な笑顔で振り返る少女。前半の移民としてちょっと苦労した少年時代を前振りにして、後半になってからトルコへ残されていた複雑な想いとどうにもならなかった寂しさが残る映画だった。
 シネマオンラインによると、映画史上第2位の興行収入となるなど、本国ギリシャでは非常に人気が出た作品らしい。現実に似たような話を身近にしていれば、この作品に特別な感情と共感を抱くことは当然。外国には日本以上に民族の辛い歴史が人々の生活に影響していることがわかる。

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Cape God