マシニストのレビュー・感想・評価
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【”WHO ARE YOU?機械工の男が一年間も一睡も出来なかった訳。”クリスチャン・ベールの、ロバート・デ・ニーロも真っ青の役作りに基づく狂気に呑まれて行く男の姿が描かれるサスペンス・ミステリー。】
ー ご存じの通り、クリスチャン・ベールは役作りのために、体重を自由自在に変える男である。勿論、医者のアドバイスの元に行っているのであろうが、今先での激やせの身体が凄すぎる。
あばら骨が浮き、頬は削げ落ち、劇中でも他の登場人物に言われているように、まるで薬物中毒者の様である。ー
◆感想<Cauion!内容に触れています。>
・汎用機械工のトレバー(クリスチャン・ベイル)は、一年もの間、一睡も出来なくなっている。そして、数々の不可思議な出来事に遭遇する。
1.同僚の溶接工レイノルズがパクられ、代わりにアイバン(ジョン・シャリアン)という太った男が職場にやって来る。トレバーは、何故か彼と親しい中になるが職場の同僚はそんな男は観たことが無いという。
そして、現場を見ると確かにレイノルズが働いている。
2.トレバーは空港の喫茶ラウンジがお気に入りで、いつも珈琲を飲んでいる。お気に入りのウエイトレス、マリアと軽いお喋りをして多額のチップを弾む。
3.トレバーは、マリアとその子ニコラスと遊園地に遊びに行き、お化け屋敷に入るがニコラスは列車に乗っている時に痙攣して気を失う。マリアによるとニコラスは転換持ちだという。
4.トレバーの家のあちこちに貼られた付箋。そして、眠れないトレバーは毎夜、風呂場のタイルをゴシゴシと清掃する。潔癖症なのであろう。
5.トレバーは、家賃を決められた日にキチンと大屋の老婆に払う。真面目な男なのであろう。
■と言う、1-5までのトレバーの姿を見て、観る側はトレバーが見るオカシナ出来事は、不眠が故の幻覚だと思い込まされる。
・トレバーは、全てはアイバンが画策したころだろう、と思い込むのであるが・・。
<彼が、不眠症になった理由が明らかになるシーンが映された後に、観る側は上記1-5の本当の理由が分かるのである。
今作は、痩せ過ぎの機械工の身の回りに起こる異様な出来事を描きながら、最後のショットで、男が何故に不眠症になったかが分かるサスペンスミステリーである。
今作は、トレバーを演じたクリスチャン・ベイルの激やせ振りが、男が良心の呵責に耐え兼ね、食が喉を通らなくなった心のリアリティを醸し出している作品である。>
罪悪感
メソッド俳優として有名なクリスチャン・ベイルと言えば「アメリカンサイコ」でのサイコっぷりが印象的だった。その後、蝙蝠男に扮するサイコヒーローもので一世風靡。
本作はその蝙蝠男を演じる前の作品。蝙蝠男では100キロ近いマッチョな肉体を披露してたけど本作は体重54キロのガリガリに。役作りのためとはいえ、こんな急激な体重変化は寿命縮める。さすがにいいお年になってこういうのは卒業すると言ったとか。
さて本作、一年もの間不眠症に悩まされ体重が激減した男が次第に妄想に悩まされ、挙句に破滅を迎える。しかしそれは本当の破滅ではなく、一年前に自分が犯した罪と向き合い、贖罪へと至る物語。
不眠症の理由はラストに明かされます。正直ちょっと拍子抜けというか、過去に犯した罪を認めようとせず、その罪から逃げ続けていたというだけのお話。散々サイコスリラーのような物語に突き合わされてこのオチは弱すぎる。
減量頑張ってまで臨むような作品かなあ。単に役者魂を見せたかっただけなのかも。
ずっと気になってた作品だったけどいまいちでした。
Now it's time to say good night. Good night, sleep tight. 現場の安全確認、ヨシ!
1年にも及ぶ重度の不眠症に悩まされる機械工の男が、不可解な出来事に巻き込まれていく様を描くサイコ・スリラー。
主人公である不眠症の機械工、トレバー・レズニックを演じるのは『ポカホンタス』『アメリカン・サイコ』の、後のオスカー俳優クリスチャン・ベール。
はい、みなさんこんばんは。今夜はお待ちかね『マシニスト』ですね。これはとても怖い怖い映画ですね。こんな怖い映画、私観たことないですねぇ。
『マシニスト』言うのは「機械工」、「機械工」という意味ですねぇ。「不眠症」じゃないですよ。不眠症は「インソムニア」。「インソムニア」言って、これはあの名匠クリストファー・ノーランの映画のタイトルにもなってますねぇ。でもこの映画、「マシニスト」いうタイトル通り、主人公の男は工場で溶接とか旋盤、そういったことをして働いてるのね。
でもこの男、眠れない眠れない。酷い不眠症。なんとこの男、トレバー、1年間も眠ってないんですね。だから馴染みの娼婦のところ行って、「おい俺は眠れないんだ」言いますね。で、この男、眠れないからガリガリなのね。骨と皮骨と皮だけの体。背骨がくっきり浮かび上がって、まるで骸骨なのね。それを見た娼婦が「あんたこのまま痩せ続けたらもう直ぐ死ぬよ」なんて言うのね。
でも男は眠れない。辛い辛い。眠れないから空港の喫茶店でウェイターに話しかけるのね。「俺はエルヴィス・プリスリーだ」なんて冗談言うんだけど、時計を見ると1時30分3秒、2秒、1秒言う感じで巻き戻るのね。うわっ、なんか奇妙なこと、怖い怖いことが、起きてるんですねぇ。
で、工場でもボッーとしてますねぇ。寝てないから。それで同僚に「おい、お前ヤク中じゃないか」なんて言われて、それでムッとしてね。仲が悪くなっちゃうのね。そんな時に、駐車場でタバコ吸ってると、見慣れない男、黒人の大男、出会いますねぇ。アイバンいうこの男は、ある男が逮捕されたからその代わりとして手伝ってる。そう言いますねぇ。トレバーは足を引きずってるこの男のことが気になる気になる。で、この男に気を取られてる隙に、同僚が点検中、機械にスイッチを入れちゃうのね。それでグググッと機械が動いて同僚の腕が巻き込まれちゃうのね。止めろ止めろっ!と叫びますね。でも止まらない止まらない、機械が回る回る…。このサスペンスいうのか、スリラー。いやぁ怖い怖い。恐ろしいですねぇ…。
で、このトレバーは「お前なんで機械にスイッチ入れたんだ」なんて上役に問い詰められちゃうのね。で、「アイバンに気を取られてしまって」言うんだけど「アイバンなんてウチには居ない」、そう言われるんですねぇ…。
トレバーは寝ていないから、どんどんどんどん現実と妄想、夢、幻覚が混ざりあっていくんですねぇ。それで映画が進むたびに、うわ危い危い、いう展開に観客を引きづりこみますねぇ。
何が真実で何が嘘か、わからないから怖い怖い。怖い怖い危い危い展開が続いて、さーてトレバーはなぜ眠れないのか、これが最後に、わかるんですねぇ。
いやぁ見事でしたね。驚きましたね。うわぁそういう事か!なんていう驚き。面白いねぇ。
このトレバーいう男を演じたのはクリスチャン・ベール、クリスチャン・ベールいう俳優ですねぇ。この俳優はバットマン、あのバットマンを演じたことで有名になりました。2010年には『ザ・ファイター』いう拳闘映画でアカデミー賞も獲りました。すごいすごい俳優ですねぇ。
このクリスチャン・ベール、役作りが凄いのね。ロバート・デ・ニーロいう俳優がおりますでしょう。彼は『レイジング・ブル』(1980)いう拳闘の映画、あれですごい痩せたのね。それで今後は同じ映画の中でまた凄い太ったんです。これは凄いいうんで、映画で体型をごっそり変えるほどの役作りのことを「デ・ニーロ・アプローチ」いう様になりましたね。日本では鈴木亮平、鈴木亮平いう俳優が凄いですねぇ。筋肉モリモリ、プリプリの身体からげっそりした身体まで、自由自在ですねぇ。
この映画のクリスチャン・ベールも凄い凄いダイエットしてます。この役をやるために30キロ近く体重を落としたのね。「おい、もうこれ以上痩せたら死ぬぞ」という娼婦のセリフ、嘘じゃないのね。本当にもう死ぬくらい痩せたの。このベールいう俳優の凄まじい執念いうか狂気…これが映画の怖い怖い暗さ、苦しさ、嫌さを表現してるですね。いや私驚きましたねぇ。
トレバーは何度も何度もウトウトするのね。でもその度にアイバンや仲良くなったウェイトレスが起こすのね。これは何か言うと、良心の呵責ですねぇ。自分が起こした犯罪、忘れようとしてる罪いうのに対して良心が「おい、お前は楽にはさせないぞ」いうて起こすんですね、追い詰めるんですね。
だから最後、罪を認めて警察に自首して「ちょっと眠らせてくれ」言うて眠る。あそこにあぁ良かったねぇ、なんてホッとするんですねぇ。
そんな、怖い怖い不眠症の映画。『マシニスト』。身の毛もよだつほどの恐怖。まぁ見事見事!悪いことしてそれを黙ってても、結局は自分で自分の首を絞めるいう教訓が詰まった怖い怖い映画でしたねぇ。
それではまた次の映画でお会いしましょう。さよならさよならさよなら。
…なんとなく淀長節で語りたくなる映画なのでありました。
痩せっぷりが怖いレベル
主人公役のクリスチャン・ベールは30キロも減量したんだとか。しかも監督からの指示ではなく、不眠症を体で表現するために。狂気すら感じる役者魂ですね。
自身の良心に怯え、一睡も眠ることができず、端から見れば狂人のようになっていく主人公。
最後で全ての納得がいきます。
私はてっきりmurderかと思ってました。
使い古された感はあるなー
ネタとしては使い古された感じはする。
オチは大筋で途中でわかっちゃうくらいだから。
ヒッチコックとかの古いミステリー風に仕立て上げてたのも
意味がわからなかったな。音楽とか映像とか、妙に古い感じで
表現してたし。
主人公の激痩せぶりが怖かったわー。
ネットフリックスもAmazonプライムもなかったから
借りてきたんだけど、ちょっと期待はずれ。
もうちょっと眠れない感を出してほしかったかな。
アイバンの見た目は誰かのモチーフなのか?
罪悪感から生まれる理想の妄想
きっとずっと罪悪感に苛まれながら不眠症に陥り現実と向き合おうとせず妄想の世界に逃げてしまったのでしょう。轢かれて亡くなってしまった息子の母親への謝罪もままならぬまま、せめての贖罪の気持ちで、自分と一緒にいれば幸せになれるんだぞ、とでも言いたかったのでしょうか。
だけど常に不安に苛まれ自分の犯した罪からは逃げられませんでした。
役作りに徹したクリスチャンベールがそんな心理状態の主人公を見事に演じていました。まさに怪演。よく自分のレビューで「怪演」という言葉を使っていますが、本作のクリスチャンベールこそが文字通りの怪演で、奇妙な雰囲気と緊張感を維持させたまま鑑賞できました。
本当にそれだけでも観る価値ありです。
ストイック過ぎる…
何と言ってもクリスチャン・ベールの体重落とし方が半端ない。最初誰かと思った。あれは病人並み。根は優しいが不眠症の男が次第に幻覚を見るようになり精神を病んでいく話かと思ったら、男の子をひき逃げしてしまい、その罪悪感から睡眠できず精神が病んでいき、もう一人の自分がそれを気付かせ、ラストその現実がわかり、自首し、ようやく深い眠りに付けると言う話。回り道をしたが、ある意味普通の人の心持ちかもしれない。ジェニファー・ジェーソン・リーの場末感がぴったり。マイケル・アイアンサンドも久しぶりに見れた。
見せ方上手い。どっちなのかなってなるミスリード。やはり作り出したも...
見せ方上手い。どっちなのかなってなるミスリード。やはり作り出したものだったのかという話。そうじゃないけど狂わせる為に集団で仕掛けていたというのならなお怖い。
簡単には理解しがたい物語展開
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 85
ビジュアル: 85
音楽: 70
主人公に次々と意味不明なことがおき、物語がまったく噛み合わなくなる。それで彼が経験したこととして映像が流れたことが、実は彼が錯乱して想像していたことだということがわかってくる。ひき逃げをして罪悪感からそれを記憶の奥に閉じ込めたが、それで精神がおかしくなり自分で気がつかないうちに奇行に走っている。
主人公のげき痩せぶりや演技力はなかなか鬼気迫るものがあり、演出も味がある。だけど物語は複雑で、何が本当のことで、何が主人公は実際に起きたと思っているが実は彼の想像の中だけのことなのか、視聴者には簡単にはわかりにくい。
減量すごい
役作り、プロの仕事とはいえ、30キロ痩せるなんてすごい。
もちろん医師などのサポートはあったはずと思います(そうでなければ命が危険)。鬼気迫る演技に脱帽です。
謎解きはあっけなかったように思いますが、シンプルな映像で淡々と描いていくので、話の続きを期待しながら最後まで見ることができます。
ガメンガ暗いので何度か寝てしまいましたが、つまらないからではありません。
実際に365日寝なかったら死ぬだろうとか、仕事したり酒飲んだりできる体調を保てないだろうとかいうのは置いておいて、シリアスに最後まで楽しめる映画でした。
原因不明の不眠症
クリスチャン・ベール堪らん!!
30㎏の減量をやってのけるとは、相変わらずこの人の演技にかける熱意は凄い。本人はもっと痩せようと思っていたらしいが周りに止められたとか…
痩せ具合がリアル、ガリガリが苦手な方にはあまりお勧めしません。
ストーリーが進むにつれアイバン(ジョン・シャリアン)の正体が明らかになっていく。
まあ初っぱなからトレバー(クリスチャン・ベール)は情緒不安定なので大体は幻覚という予想はつくが、それを踏まえた上での内容である。
此処で重要なのは
「アイバンは何を伝えたいのか」
ヒントは作中の所々に盛り込まれているので、此方としてはトレバーと共に謎解きをしている感覚。
最後には全ての事に意味が有り、繋がっていたことに気付かされる。
遊園地での出来事や同僚と写真に写ったアイバン等…これは一度ではなく二、三度観るとその一つ一つが何を伝えようとしているのかがより理解出来る作品だと思う。
結果、最後まで飽きずに観ることが出来た。
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