「「戦争は地獄だが、平和は退屈でしょうがない」」戦争のはじめかた kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
「戦争は地獄だが、平和は退屈でしょうがない」
元々は事件を起こしたため仕方なく兵役についたエルウッド。モルヒネを仕入れヘロインに精製して夜はヤクの売人。遊んでいるときにジャンキーが死んでも、戦死扱いに協力する上官のバーマン大佐(エド・ハリス)もすごくクール。昇進しか頭にないためか、夫人をエルウッドに寝取られている・・・
演習中にタンクを暴走させ人が死んでも、トラックを奪い武器を確保して核基地に隠したりと、やることは無茶苦茶だ。上官の娘をデートに誘って仕返しするなんてストーリーはありがちな青春ドラマのようだけど、一方の昇進を焦るバーマンがとんでもないアイデアを将軍に上申し、リー将軍はエルウッドをだんだん憎むようになる。
悲惨な核爆発こそ起こらないものの、いつ内部から爆発するかわからないほど腐っている人間関係。「最高のバカと最低のバカ」しかいない軍隊。ラストの収束へ向うプロットは規律を正す人間の賢さを訴えているようであり、スカっとしないのも事実だが、ベトナム戦争時にはもっと悪いことをやったというリーの独白が不気味だ。
戦争がいかにして起こるかという方法論よりも、平和なときでも戦争は起こっているという哲学的なことを訴えているようで、それほど感慨深いものではなかった・・・
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